NYMEX天然ガス11月限終値：7.188↑0.216

NY天然ガスは続伸。弱気の在庫統計にもかかわらず、目先の気温低下見通しや原油の急騰を手掛かりに大きく買いが集まった。寄付きでは前日の反動もあり手仕舞い売りが先行したものの、在庫統計発表直後に下げ止まり。在庫積み増しは予想を大きく上回ったものの、当面の売り材料が出尽くしたとの見方がこれに勝った。その後は原油の上昇に連れる格好で一気に7.20ドル台まで上昇。午後からは上値が重くなったものの、最後まで高値圏で推移した。

在庫統計は予想を上回る680億立方フィートの積み増し、在庫はこれで3兆4,430億フィートと前年の記録に180億、90年に作った過去最高記録に290億立方フィートまで迫った。今週初めまで平年以上の気温がつづいていたことを考えると、次週の発表でこれを上回る可能性はかなり高いだろう。

もっとも、市場の注目は今後の天候と原油価格の方を向いており、今更在庫水準をどうこう言っても始まらないというのが正直なところだ。こうした状況ではどの貯蔵施設もほぼ容量いっぱいになっており、積み増しも南部の生産地区が中心。冬場の暖房需要の中心となる北東部や中西部向けの在庫が特別に多く確保された訳ではない。

天然ガスはその性質上長期間貯蔵することが出来ず、上記の消費地にはパイプラインを使ってその都度供給するしかない。寒波がやってくると結局はその地域の供給が不足し、大幅な価格上昇は避けられない。原油が史上最高値を更新、需要の競合する暖房油もそれに続いている状況では、天然ガスの価格水準は明らかに割安。今後実際に暖房需要が増えてくれば、おのずと割安な天然ガスが買われることになるだろう。

今日の材料

・ 天然ガス在庫は680億立方フィートと予想を上回る積み増し