2016年12月21日(水)
トランプさんの対中政策は、やっぱり厳しくなりそうです
日本の皆さん、おはようございます!
クリスマスももうすぐそこ、NYの街も市場も、更にお休みモードが強まってきました。その前に、今日21日は冬至だったのですが、こっちにいるとクリスマスの直前ということもあって、ほとんど話題になりませんね。夏至は北欧系の人たちが派手にお祝いするので、なんとなく分かるのですが、冬至は基本的に地味な日なんですよ。やっぱり柚子湯には浸かりたいのですが・・・
マーケットは、ダウ平均が2万ドルの大台を目前に、今日も足踏みです。ここまでくると、一度は大台をつけにいく動きがあると思うし、そのつもりで頑張っている人も多いとは思うのですが、いかんせんクリスマス前で、一気に押し上げるには参加者が少なく、迫力に欠けるということなんでしょうか。もちろん商いの薄い中で上手く仕掛ければ、あっさりと抜けてしまう可能性も高いので、明日再挑戦ということですね。
ただ、2万ドルをつけても、つけないままに失速しても、その後は年末にかけてポジション調整の動きが強まることになるでしょうね。株価が本格的に下落に転じれば、ドルも対円を中心に値を下げてくることになるでしょう。トランプ新政権に対する期待を背景としたここまでの動きは明らかに行き過ぎ、仮に新政権が期待通りの政策を打ち出したとしても、今の流れがこの先も続くとは考えない方が良いと思います。中でも期待の高い大幅減税をはじめとした財政支出を伴うものについては、議会での審議が必要で、いくら共和党が多数を占めるといってもそう簡単にはまとまらないと思います。リーマンショック後のような危機的な状況ならまだしも、穏やかながらも景気が回復を続け、雇用市場も完全雇用に近づいたとされる今の状況では、必要に迫られているというわけでもないですから、やはり時間が掛かるでしょう。
一方、外交や貿易などに関しては、大統領の権限が比較的強いので、すんなりと政策が進む可能性も高いので注意が必要です。トランプ次期大統領は本日、国家通商会議を新設することを発表、トップに対中強硬派のピーター・ナバロ氏を指名しました。中国の脅威を警告している著書を多く出しているエコノミストです。こうした人事を見る限り、やはり対中政策はかなり厳しいものになる可能性が高いと見ておいた方が良さそうです。当然ながら中国は反発、貿易戦争に発展してしまう恐れも出てくるわけで、それが米経済にも悪影響を及ぼすとの懸念も当然のように高まってくるでしょう。こちらの方が減税に対する期待を上回ってしまうなら、株式市場も一気に調整色が強まることになると思います。
またこうした動きの背景にあるのが、米国内の製造業の回復という公約実現なのであれば、新政権の為替政策はドル安誘導ということにならざるを得ないでしょう。ドル高では、小ストの安い新興国に太刀打ちすることはできません。後は、そうした新政権の方針がいつ頃明らかになって、市場がそれを織り込みに掛かるのかという問題となります。就任式まで1ヶ月を切った今、そのタイミングはかなり近くまで迫ってきていると思うのですが、どうでしょう。
では今日はこのへんで
トランプ政権のドル安政策に期待する人も、
やはり金利の上昇がドルを押し上げるという人も、
グーッドラック!
Posted by 松