2022年01月25日(火)
2022年世界経済見通し、成長率は0.5ポイント下方修正・IMF
[金融・経済]
国際通貨基金(IMF)は25日、2022年世界経済見通しで成長率を4.4%と、2021年10月時点での4.9%から0.5ポイント引き下げた。2021年の5.9%(修正なし)からよりスローダウンが進むとの見方である。米国の大型インフラ投資法案(ビルド・バック・ベター法案)がまだ成立してないことや金融緩和政策の早期解除、なお続くサプライチェーン問題を指摘し、中国のゼロコロナ政策に伴う混乱や債務不安が下方修正につながったという。
先進国の2022年実質国内総生産(GDP)は3.9%増加の見通しとし、0.6ポイント引き下げた。このうち米国は5.2%から4.0%、0.8ポイントの下方修正。ユーロ圏の伸び率は4.3%から3.9%に引き下げた。ドイツを4.6%から3.8%、フランスを3.9%から3.5%にそれぞれ下方修正。また、イタリアが0.4ポイントの下方修正となって3.8%、スペインは5.8%で、0.6ポイント引き下げた。英国は5.0%増から4.7%増に引き下げ、カナダも4.1%成長として0.8ポイント下方修正。一方、日本の成長率は3.2%から3.3%に引き上げた。
エマージング・途上国は、4.8%の増加予想とし、前回から0.3ポイント引き下げた。中国を5.6%から4.8%に下方修正。ブラジルとメキシコは1.2ポイント引き下げ、0.3%と2.8%の増加になると見越す。インドは8.5%から9.0%に引き上げた。
IMFは、2023年の世界成長率が3.8%になるとの見通しも発表した。先進国が2.6%で、このうち米国は2.6%、ユーロ圏が2.5%、日本1.8%。英国は2.3%とした。エマージング・途上国の見通しは4.7%。中国が5.2%と、前年より高い伸びになるのを見込む。
IMFはこのほか、前回報告時以上にインフレが長引くとの見方を示した。サプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇が2022年に入っても続いているためという。ただ、インフレ期待は落ち着いているとし、需給バランスの安定、主要国の金融政策を通じての物価対策によりインフレは徐々に下向くと予想する。
Posted by 直 1/25/22 - 11:03