2007年1月27日(土)
バイアウト・ファンドと商品トレード [遊びなかま]
昨晩は行きつけのアイリッシュバーでバイアウト系のファンドで働いている友人と久しぶりに飲んできた。春にはNYを離れ日本に帰るという。これまで回りが全てアメリカ人という環境で孤軍奮闘してた彼は、もっと仕事の幅を広げたいと日本に帰る決心をしたという。帰国後は米系ファンドの東京オフィスで、買収業務を取り仕切るらしい。
おんなじ投資という名前がついてても、彼のやってることと商品のトレードとはまったく違う。これまで5件の投資を手がけたそうやが、それまでに目を通した案件は500件以上になるらしい。100件見て1件投資する勘定や。これは、というやつを選んだら、最低でも5年は付き合うことになる。その間は後へ引かれへんだけに、投資の決断も慎重にならざるを得んわけや。
かたや商品市場のトレードは、投資案件は多くても10何種類。それらが上がるか、下がるかを瞬時に判断せなあかん。慎重に検討なんかしてたら、チャンスを失ってしまうのがオチ。その代わり、ポジションを持った後でもあかんと思ったらいつでも撤退できる。というか、撤退できん奴は生き残ることができん。
判断の基準もずいぶん違う。彼のファンドの場合、資金を入れて取締役は派遣するけれど、別に経営をコントロールするわけではない。財務状況やビジネス環境といったファンダメンタルズはもちろん重要やけど、それ以上に経営陣との相性とか、もっと泥臭いもんが決め手になるらしい。もちろん、商品市場では取引所にオーダーを入れてる限り、ディールする相手の顔が見えることは絶対無い。
そうしたまったく性格の違う投資をしている彼だけに、話をしていると新しい発見もあるし、聞いてて面白い。たまに会って飲むのが楽しみやっただけに、それが出来んようになるのは寂しいもんがある。次は東京で、上手いもんでも食いながらということで別れたけど、それはそれで別の楽しみが出来たということか。
Posted by 松