2007年1月31日(水)
「産む機械」発言に思う [まじめなお話]
女性は産む機械・・・
あっちこっちで議論が沸騰しるようで、今更ながらとは思うけど一言。
本人は例え方が悪かったとかという言い訳もしてたみたいやけど、まったく思ってもいない人間からああいった言葉が出てくる訳はないから、やっぱりそういう考えが染み付いてるんやろう。どういう考え方かを一言でいうのは難しいけど、あえて言うなら男尊女卑になるんかな? わしよりも一世代上のおっちゃんらに多いのは確か。「尊」の扱いを小さい頃から受け取ったら気分もええやろうし、何の疑いもなくその考えで育ってきてんやろうね。
100万歩譲って「産む機械」という例えを認めるにしても、なんで「産む機械」にはもっと頑張れといって、「産ませる機械」や「機械の設置環境」の問題には言及せえへんかったのか? 「人類製造装置」の稼働率低迷の責任は片側だけにあるということは絶対にない。子育てを取り巻く社会環境も含めた多くの問題を解決していかなあかんのに、馬鹿の一つ覚えみたいに「女の人、もっとがんばれ」はないでしょう。だいたい、人間と言うのは「がんばれ」と言われて頑張れるもんではない。
ここまで書いて、前言撤回。やっぱり「機械」の例えは認められへん。一回でもじかにお産に立ち会ったことがあったら、口が裂けても言われへん言葉や。大臣も、彼を辞任から守ろうと思ってる首相をはじめとした政府の人間も誰かに頼んで経験してみたらええと思う。政治家やったらそれくらいのことはすべきやろう。意識改革のために一肌脱いだる、という妊婦さんも探せばおるかもしれん。
しかしながら、言葉というもんはほんまに恐ろしい。今回は言葉以前の問題やけど、選び方一つで他人への伝わり方がガラリと変わってしまう。「そんな意味で言うたんとちゃうねんけど・・・」と嫌な思いをした経験も数え切れんほどある。「言霊」とはよういったもんで、一度出て行くと、二度と仕舞いこむ事はでけへん。話すか書くかの違いはあるけど、わしも言葉を職業とする身、改めてその大切さを痛感した。
今日米上院で証言したポールソン財務長官も同じ思いをしたはずや。”Watching very, very closely” 発言一つで、あれだけ為替が動いてしまうもんなのか。決して円安を警戒しての発言とは思わんけど、本当のところはどうなんやろう・・・
Posted by 松