2007年4月17日(火)
日本の総合取引所創設計画に思う [まじめなお話]
日本の市場関係ニュースで昨日今日と良く目につくんが、政府が取引所の抜本的な再編を促す方針を固めた、というやつ。証券、金融先物、工業品、農産物のすべてを網羅する「総合取引所」の創設を目指すときた。
今の状況に比べれば遥かに良くなると思うし、基本的には大賛成。そやけど、政府が促して総合取引所を創るというのはどうも引っ掛かるね。ロンドンやニューヨークなどと互角に競争できる金融市場の構築を急ぐとしてるけど、M&Aで取引所同士が凌ぎを削ってる欧米の業界と、政府主導の総合取引所が互角に競争できるとはどう考えても思われへん。前にこのコラムで、このところ躍進著しいICEが勢いに乗って東工取でも買収してくれたらええのに、と書いたけど、総合取引所になったらその可能性は万に一つもなくなってしまう。
とはいうても、何もせんよりは遥かにましや。新しい取引所が新しい仕組みを作ったら、今の業界も変わらざるを得んようになる。サービスや品揃えではまだまだ太刀打ちでけへんかも知れんけど、少なくとも同じ土俵に上がることは出来るようになるんとちゃうかな。
で、出来るかどうかはまだ分からんけど、新しい取引所にささやかなる注文。
一つは、国内銘柄と国際銘柄を明確な分離。日本国内の市場についてはあまり知識もないし言うこともないけれど、国際銘柄については国際標準の取引単位や価格で取引して欲しい。原油がリットル何円で取引されてる限り、海外の連中はどうしようもない。金や農産物も同じ。ドル建てで決済する必要は必ずしもないと思うけど、取引所の役割の一つに、公正な価格形成というものがあるのを忘れたらあかん。欧州の取引所も国際商品はみんなドル建て、世界に通用する取引所を創るんやったら、まずこっから始めて欲しいね。
この他にも色々言いたいこともあるし、この問題については追々取り上げていくことにしよ。
Posted by 松