2007年8月24日(金)
損しなかったら自慢できるの? [まじめなお話]
あんまり更新する機会がないのに
またまたサブプライムのお話。
最近よく目にすんのが、日本の金融機関がサブプライムで
あまりやられていないという問題や。
一方でそういう危なっかしいものに手を出せへんかったことに対して
「偉い」という人がおるかと思えば、日本の金融機関が遅れてる証拠で、
自慢するようなこととちゃう、と批判する人もおる。
結局これは、リスクとリターンの話なんとちゃうかな。
リターンを取ろうと思たらそれなりにリスクを取らかあかんし、
それだけこういうのを掴まされる可能性も高くなる。
一方、安全運転してたらこういう事件が起きたと気に「良かったー」と
胸をなでおろすことができるけど、
もともとリスクを取ってないから、大して儲かってもいない。
要はバランスの問題なんで、極端な例ばっかり持ち出して
批判したり自慢したりしてもあまり意味がないと思う。
マーケットのことをあんまり分かってないと思われるんがオチや。
市場でリスクを取って損をしたからといって批判される筋合いもないし
何もせんといて、「うちは損をしませんでした」と自慢できるもんでもない。
まあ、他に目一杯リスクの高い投資をしとって、そん中で
サブプライムが絡んだ商品だけは「こら、危なっかしいな」と
手を出せへんかった人がおったら、ちょっとは自慢してもええと思うでどね。
綱渡りでも、安全運転でも、それはその金融機関の
スタイルやからどっちでもええやろうけど。
上手くバランスをとって運用したかどうかは、
結局のところ長期に渡る収益に表れて来る。
この部分だけは、日銀の超低金利政策に恩恵だけで利益を
出してる感の強い銀行をはじめとした日本の金融機関より、
欧米の方にまだまだ分があるとは思うけどね。
Posted by 松
2007年8月14日(火)
損切りは難しい [まじめなお話]
最近はほんまに金融市場が騒がしい。
ファンドの巨額損失や、資産凍結(新規投資と解約の一時停止)は
ほぼ毎日どっかでニュースを目にするようになってきた。
サブプライム問題も、いよいよクライマックスが近いんかな?
今日あったんは、ヘッジファンドやCTAなどの短期資金の運用管理を
やってる・マネージメントというところが、
顧客に対し資産の引き出しを一時的に停止するというやつ。
レバレッジが効いている商品市場でトレードする場合、
資金のほとんどをマージンに充てるなんてことは絶対にせえへんから、
当然かなりの量のキャッシュが宙に浮いてくる。
T-billなんかの短期債を買っておくこともできるけど、それでは万一の場合や
ポジションの積み増しなんかに機動的に応でけへん。
そこで、センティネルみたいな所に短期的なキャッシュの運用を委託するわけ。
長期的なリターンを狙ってリスク取ってるわけとはちゃうから、
任せる方も短期金利プラスアルファくらい出してくれて、
自由に資金を動かせたら御の字、のはず。
なんでこんなとこが引き出しの停止をせなあかんねんやろ・・・
それはさておき、理由がまたおもろい。
今顧客が資金を引き出させたら、市場で割安に評価されて証券を
言い値で処分せなあかんから、結果的に顧客に損失を与えることになるらしい。
顧客って、運用のプロばっかりとちゃうんかな?
そんなこと重々承知の上で、資金を引き出そうとしとるんやろう。
大体、売却せなあかん証券の価値が上がる保障がどこにあんねん?
保障があるんやったら、とっくの昔に上がってるやろ。
個人の場合とは状況が全く違うけど、
損切りがなかなかでけへんトレーダーの言い訳聞いてるみたいや。
ニッチもサッチもいかんようになる前に、
上手いこと相場が上がってきたらええね。
Posted by 松
【 過去の記事へ 】