2008年7月15日(火)
理論価格 [いろいろ]
日経新聞のサイトによると、15日に甘利経済産業相が閣議に提出した
08年度の通商白書には、原油や小麦、コーンなどの価格について、
年金基金や産油国の投資・投機資金の流入によって3♀・x
押し上げられているとの試算が載ってるらしい。
こういうのを見るたびにいつも感心するねんけど、
どうやったら3-4割という数字を引っ張り出してくるねんやろ?
数字を出すには、規準となる価格が必要なわけで
それは何ですかと尋ねたら、恐らくは需要と供給のバランスから
算出した適正な理論価格ということになるんやと思う。
では、その理論とは何ぞや?となると、
多分答えは返ってけえへんやろね。
適正価格を算出する正しい理論があんねんやったら、
ワシにも教えて欲しいわ・・・
相場というやつはもともと不安定で先行きが不透明なもんやから、
適正価格や理論価格とかを持ち出すとみんなは拠り所が出来て
安心するんはようわかる。そやけど、アナリストが100人おれば
100通りの理論価格が出てくるし、所詮理論価格はそんなもんや。
それに基づいてトレードをしても、まあええ思いはせんやろね。
政府機関や学者さんがあれこれ考えて価格を算出するんはええけど、
ブローカーやストラテジストといったトレードに直接携わる輩が
こうしたことを口にするときは要注意やで。
さてさて、実態から大きく押し上げられていることになってる原油は、
一時高値から10ドル以上急落するえげつない展開になってる。
理論がどんなもんなんかはしらんけど、値動きだけは荒くなる一方や。
最近の金融市場の信用不安の高まりを見て、短期的ながらも
ほんまに久しぶりに強気の見通しを立てたけど、
所詮ワシの理論もこの程度と言うことかな・・・
Posted by 松
2008年7月9日(水)
くさいものにはフタ? [まじめなお話]
今日ちょっと気になったニュースが、
CFTCで取引の監視や不正行為取り締まり部門のトップが
60日以内に辞任する意向を明らかにしたというやつ。
原油価格急騰を受け、CFTCが色々と規制や取締りを
強化してきた矢先だけに、なんかきな臭いもんがあるね。
ただ単に個人的な事情なんか、それとも何かの圧力があったんか・・・
この業界はやっぱり一筋縄ではいかんようやね。
それにしても、最近の投機資金に対するバッシングは凄いね。
洞爺湖サミットでも、とにかく規制ありきという方向で話が進んだみたい。
そやけど、今の原油高は何もヘッジファンドや年金基金だけの問題ではないと思う。
確かに年金基金の流入は凄いインパクトがあったけど、
それだけで140ドルまで一気に価格が上昇したとも思えん。
規制を強化して投機資金を市場から追い出すのは簡単やけど、
そうした資金は株や債券、不動産などありとあらゆる市場に
入り込んでいることを忘れたあかん。
あんまりいじめたら、他の市場からも逃げ出して金融市場全体が
崩壊してしまうで。
原油市場だけを取り締まるっちゅうのもナンセンス。
資金は水が高いところから低いところへ流れるように、
常に居心地の良いところを探し回って自由に動いてる。
原油がダメなら、他の市場に移っていくだけで
そこでまた相場を押し上げることになる。
また、ヘッジファンドや年金基金はお金を集めることは出来ても、
お金を印刷することはでけへんことも忘れたらあかん。
相場を騒がせている大量の資金も、中央銀行が発行したものが
まわりまわって集まってるだけや。
くさいものにはフタみたいなことをあかんと思うけどな。
金融緩和政策をやめん限り、根本的な問題解決にはなりまへんで。
Posted by 松
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