2007年2月10日(土)
傍目八目 [いろいろ]
傍目八目という言葉がある。
囲碁をしてる当事者にはよう分からんことでも、第3者とし傍に立って冷静に見てみると意外に戦局がよく分かり、8目分くらいは有利な手を思いつくと言う意味やけど、相場の世界でもそれに近いことはよく起こる。後で考えてみると、何であの材料でこんなポジション持ってもうてんやろう、とか思うわけで、大抵は後の祭りとなってるもんや。
いつ何時でも冷静に相場を分析し、その時その時で的確な判断が下せたら、相場でも楽に勝てるねんやろうけど、そんなことが出来る人間は数えてもほとんどおらんのとちゃうか。相場の本とかには、何よりも大切なんは常に決められたルールを忠実に実行する精神力です、とか書いてるけど、ポジション持って曲がった時、平常心でルール通りにトレードが出来る人間がおったらここにつれてきて欲しい、と思う。心から尊敬するわ。
出来もしないことをあれこれいっても始まらん。わしはトレードの前にシナリオをしっかりと作って、それから外れたら勝ってても負けててもポジションを閉じろ、と言っとるけど、シナリオを外れたかどうかを判断するのは、結局のところ本人しかない。傍目から見たら明らかに外れてても、当の本人が外れていないと信じていたらどうしようもない。
傍目になりたいと思う気持ちは分かるけど、所詮自分は自分、他人にはなられへん。人間、できん事を無理してやろうとしてもろくなことはない。コンピューターにそうした作業を全て任せようとする人もおるけど、コンピューターは電源を落とせばそれ以上何もいわんようになるし、サインを無視しても怒れへん。第一、コンピューターが人間よりも正しい判断をするとはどうしても思われへん。チェスでは世界チャンピオンに勝つコンピューターも出てきたけど、取った駒を再利用することが出来る将棋ではまだまだ、ましてや、囲碁なんか足元にも及べへん。発想力とか、戦略の立て方でその道のプロとはまだまだ明らかな差があるというのに、なんでみんなコンピューターに頼るねんやろう?
どんな時でも冷静に対処しよう、と頑張るよりも、無理は事は無理と、しっかり自覚することが大切なんとちゃうかな。ポジションを持っているときにそれを意識するなと言う方が無理や。損切りなんか下手に考えんと、成り行きに任せる方が最後はええ結果になることの方が多い。もちろん、損きりせんとほっといて、パンクしてしまうようでは困るけど。利食い千両とかいうて、ポジションは建てるときより手仕舞うときの方がはるかに難しいように言われてるけど、やっぱり一番重要なんは、どっちの方向に、どれくらいのポジションを建てるかの判断やと思う。それが正しかったら、あとはどんな風にやっても大概利益は取れる。まあ、でけへんから損切りやー、ポジション管理やーって大騒ぎすることになんねんけどね。
これは自分の中でほとんど永遠のテーマになってる問題、みなさんはどう考えてますか?
Posted by 松