2008年5月27日(火)
情報鵜呑みの恐ろしさ [まじめなお話]
NYはメモリアルデーの連休を境にようやく暖かくなってきた。
それにしても、先週の原油の上昇は凄かったね。
今日はうやく価格調整が入ったけど、それでも128ドル台やもんね。
そんな中でちょっと気になったんが、IEAが世界生産見通しを
11月に大幅に下方修正するっちゅう、WSJの観測記事。
詳しい内容を書いたらまたレポートが一つ出来てしまうからやめとくけど、
要は毎年11月に発表されるエネルギーレポートで、
世界生産の長期見通しを大幅に下方修正するということ。
今の推定では、世界生産は現在の日量8,700万バレルから
2030年までには1億1,600万バレルになるとしてるけど、
色んな事情から1億バレル以上に増えるんはちょときついらしい。
話としては興味深いけど、まだかなり先の話やし
その時はあまり大きくは取り上げへんかった。
ところが、その後に日本で出てる色んなレポートを見てたらびっくり。
長期見通しということや、11月にと言う部分がすっかり抜け落ちて、
ただ単に「IEAが生産推定を大幅に下方修正する」ちゅう部分だけが
大きく取り上げられてるやつが多いこと。
まあ、相場が130ドル目指して急騰してたときやし、
内容自体は決して間違ってはいないねんけど、
いくらなんでもあんまりやおまへんか。
今年や来年の生産推定を大幅に引き下げるねんやったら
多分130ドルどころの話ではない大騒ぎになるはずやけど、
そういうレポートを見た人はそう受け取ってしまうやろね。
中にはそれだけを手掛かりにそれイケーっと買った人もおったかもしれん。
レポートを書いた人はそこまで意識して書いたんか、
それとも元の記事も読まんと(多分ほとんどがそうやろ)
人から聞いた話やヘッドラインだけ見て書いたんか知らんけど、
大いなる誤解を生んだことは間違いないんとちゃうかな。
おそらくは自分が意図してないとこで、こうした誤解が
いっぱい生まれてるんやろね。
人にものを伝えるっちゅうんは、ほんまに難しい。
逆に読み手の立場に立てば、そこにある情報を頭から鵜呑みにせんと、
しっかりと背景を調べた上で自分の頭で判断する必要があるっちゅうことや。
あんまり疑心暗鬼になる必要はないかもしれんけど、
念には念を入れやなあかんということや。
特にマーケットが絡んでくると、お財布にも影響してくるしね。
Posted by 松