2007年4月3日(火)
Shinsei Bank [まじめなお話]
ファイナンシャルタイムズのWEB版を見てたら、”Shinsei Bank” の文字が目に飛び込んできた。何やこれ?と読んでみると、今期の決算が発足以来の赤字に転落と書いてある。買収した消費者金融会社の暖簾代の価値が下がったのを計上したのが理由らしい。興味を持って日本のメディアのサイトを見たら(日本の情勢を知るのはこうしたパターンも多いねん、大抵は日本で大きく取り上げられていないやつやけどね)、例の個人向けローンの上限金利引下げが影響しとると説明してあった。
日本の銀行の悪口を書き出すときりがないからここではやめとくけど、昔からずっと不思議やったんが、個人や中小企業向けローンの金利水準。金利はかなり低いけど担保その他の審査がめちゃくちゃ厳しいやつか、審査は甘いけれど常識では考えられない高金利のやつか、2つしか選択肢がない。そこそこ信用力のある人が、10%後半あたりの水準で短期間資金を借りようと思っても、そんなローン自体なかったわけや。結構多くのビジネスチャンスがあると思うのに、なんでそれを逃すねんと、理解に苦しんだのを思い出すわ。いまでもあんまり状況は変わってないみたいやけどね。
規制その他で現実的に無理やったんか、やる気がなかったんか、その方が貸し手側には都合が良かったんか、事情はよう知らんけど、お客さん(借り手)の立場でものを見てなかったんは明らかや。
アメリカでは住宅ローン一つとっても、今問題のサブプライムローンをはじめ、品揃えは多い。というか、めちゃくちゃ融通が利く。支払能力の低い人に無理やり貸し込むというのは、多分どの国でも起こる問題。それはシステムを使う人の問題であって、システム自体が悪いわけではない。サブプライムローンのお陰で自分の家が持てた人も、ぎょうさんいてるはずや。何か新しい仕組みを作れば、それを悪用する奴は絶対に出てくるけど、そやからといって既存のものだけでやりましょか、では進歩も発展もない。既存のもんに問題や欠陥があるにもかかわらず、皆が使ってるからと安易にそれに乗っかったら、今回の新生銀行みたいになってしまうと言うことなんかな。リスクをとって新しいことにチャレンジする時は、皆真剣に考えるから仮に問題が起こっても何とか対処できるはずや。
日本の銀行の皆さん、これに懲りんと新しい個人向けローンの仕組みを確立させてくださいな。
Posted by 松