昨日は破綻したリーマンブラザーズの経営責任を追求する公聴会、
しばらく姿をくらましていたファルドCEOが、
証言台に立って色々と喋ったみたいやね。

生で見たわけとちゃうけど、高額報酬への批判から始まって
色々とやり込められたようや。

ファルドさんは破綻に至った理由について、
憶測や空売りによる株価の急落、格付けの引き下げなんかによって
顧客の信頼を失い、資金が急速に逃げていったのが直接の原因らしい。
空売りやそれらに類似した投資手法を駆使して儲けてたリーマンが、
それによって破綻するとは、何とも皮肉な結果やね。

欲に任せて身の丈以上のレバレッジを掛けたポジションを
抱えたトレーダーが、相場が逆に振れた途端急速に損失が膨らみ
挙句の果てに資金がショートして取引先に愛想を突かされる・・・
商品市場の世界ではいかにもありそうな話やけど、
それがウォール街を代表する企業で行われてたんが驚きや。

仕組みが複雑すぎて本人もようわからん仕組み債や証券化証券を
売るんは、
素人が仕組みを理解せえへんままにオプションを裸で売るんと
それほど大きな違いがあるとは思われへん。

また、流動性があっさりとなくなってしまうOTCで取引されていたため、
いつまで立ってもポジションの評価が出来ず、
損切りもでけへんかったことが傷口を広げた可能性も高い。
米政府による不良債権の買い取り案は、言い換えれば強制的に
損切りをやらせますと言うてるようなもんや。
これで新たな問題が出てくることも十分にあり得るやろね。

投資の基本中の基本、ポジションの管理の大切さと
損切りの難しさを改めて感じる今日この頃や。

結局、金融工学を駆使した最先端の投資手法というても
素人と同じような間違いを犯すっちゅうことやね。

今となってはそんなこと言うてられへんほどの一大事になってしもたけど、
ことの始まりはそういった基本的な、簡単なことやったんとちゃうかな。

いつ何時でも基本に忠実に、
初心、忘るべからずや・・・

今夜は共和党のペイリン、民主党のバイデン両副大統領候補の討論会。

マケインさんの自宅で強化合宿まで行って論戦に挑んだ
ペイリン候補がどのような受け答えをするかに注目が集まったけど、
「アラスカからロシアが見える」並みの迷発言？を期待してたわしとしては、
率直なところ、ちょっと肩透かしを喰らった感じやね。

お互いに大統領候補の政策の問題点を突くという、
正攻法と言えば正攻法やけど見ていてあまり面白くない展開。
途中で何回か居眠りしてしもた。

正攻法でいくんやったら、やっぱりベテランのバイデン候補の方が一枚上。
マケインさんの政策を批判する時は、ちゃんと「今から批判しますよー」という
サインを出してから発言するんで、聞いていて分かり易い。

一方ペイリン候補は、肝心なところで早口になってしまう癖があるようや。
英語がネイティヴじゃない外国人にとっては、これが一番つらい。
まあ、大したこと言わんかったみたいやからええねんけどね。

結局、マケインさんがオバマ打倒のためのジョーカーのつもりで指名した
ペイリン候補は、いつのまにかハートの9になってしもたようや。
かたやバイデン候補は、手堅くクラブのジャックくらい。

次の討論でオバマさんがエースを引き当てたら、
勝負あった、となるかもしれん。

マケインさんは正念場、最後はやっぱり自分が
ジョーカーにならなあかんみたいやね。