2006年10月22日(日)
大豆は割安か
[穀物・大豆]
振り返ってみると、最近はどうも強気の予想が多い。
10月に入った頃から資金が再び商品市場に戻りつつあり、
強気予想の大きな根拠となっている訳だ。
もっとも現在は株が非常に好調なので、
そちらの方にも資金は流れているのも忘れてはならない。
しかし株は商品よりも明らかに買われ過ぎ、
かなりの価格調整が遠からず起こるだろう。
その時は一時的にせよ商品に資金が集まり、
かなりの上昇を見せることになるはずだ。
商品にはまだまだ上昇余地がある。
そんな中、よく分からない銘柄が二つある。
コーヒーと大豆だ
コーヒーは本当に材料がないので、
予想することさえしていない。
もちろん、データなどはチェックしているが、
分からないときは、無理することはないのだ。
大豆はちょっと微妙・・・
大豆自体の需給は明らかに弱気だが、
小麦、コーンのファンダメンタルズがしっかりしているので、
これらに連れてまだ上昇する可能性はある。
大豆とコーンのどちらが割安かを測る指標の一つに
大豆価格をコーンで割ったS/Cレシオと呼ばれるものがある。
これは9月はじめごろまで2.4-2.5あたりで推移していたのだが、
その後急速に低下し今月16日には1.8台をつけるまでに至った。
これは96年以来のことで、大豆はコーンに比べて
歴史的な割安圏にあるといっても良い。
大豆がこのところ大きく反発しているのは
これに目をつけた投機筋が急速に買い戻しているからだろう。
CFTCの建玉報告を見てもファンドのネットポジションは
オプションをあわせ2万5.000枚以上のネットショートから
急速にロングに傾き、一気にネットロングとなっている。
だが、問題はここからだ。
現在のファンダメンタルズを見る限り
やはり大豆は買いにくい。
コーンや小麦に今後も連れ高となるのか、
それとも需給バランスを正しく反映する水準に落ち着くのか。
ファンダメンタルズ分析を主とする私としては、
やはり後者を選ぼう。
もちろん、相場は需給に逆らった動きをすることも多い。
今はそういった時期なのだろう。
ポジションを持つとすればトレンドに従うべきだが、
ファンダメンタルズの後ろ盾のない時はいつもより慎重になるべき。
出来れば持たないに越したことはない。
ただし、ファンダメンタルズは変わるもの。
強気に変化するシナリオとしては、作付面積の縮小だろう。
・ブラジルでは割安な価格を嫌気し、農家が作付けを減らすとの見方が強い。
・米国ではこのところアジアさび病が相次いで発見されており、
これが来年度の作付けに影響する可能性もある。
こうしたものが現実になるようなら、大きな声で「買い」と言うことが出来るのだが。
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