2006年11月5日(日)
金は何についていくのか - 3
[メタル]
株式市場との関係
次は株価との関係だ、一般的には景気が悪くなれば
ヘッジとして金が買われるという負の相関関係が
あるとされているが、実際はどうだろう。
S&P500 との関係を調べてみた。
こちらのグラフはかなり激しく上下に振れており、
あまり明確な相関関係は認められない。
ただ、夏までは比較的プラス領域にあることが多く、
正の相関が強かったことが分かる。
原油価格との関係
最後に原油との関係を見てみよう。
どうやら、これが今までの中で一番相関関係が強そうだ。
4月から7月ごろまで相関が崩れた以外、ほぼ一貫して
高い正の相関関係が持続している。
理由としては、商品市場全体への資金の流入、流出が
個別銘柄のファンダメンタルズよりも値動きに対して
大きな影響を与えている事が大きいのではないか。
つまり、商品市場に資金が流入するときは、原油だろうが
金だろうが全部値上がりするということだ。
現在は急速に正の相関関係が崩れているが、
過去一年の例を見るとこうした状態がそれほど長く
続くことはないと考えることが出来る。
また、ドルや債券との相関関係が高かった
今年の4月から7月にかけての期間、
相関関係が崩れていることも興味深い。
金がドルの動きに影響されるようになったら、
原油にはついていかなくなるということだろうか。
総括
ここまで色々な相場との関係を見てきたが、
当然ながら四六時中同じように動く関係などない。
金の値動きの要因を他の市場に安易に求めることは
やめておいた方が良いだろう。
しかし、一時的にせよ相関関係が高まる時があるのもまた事実。
そしてその時は、やはりそれなりの理由が存在しているはずなのだ。
相関関係に注目しながら、その背景を深く探ることによって
金あるいは他の市場の方向性が見えてくることもあるのではないか。
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