2006年12月26日(火)
季節トレンド指数とは?
[季節トレンド指数]
よそうかい季節トレンド指数は、マーケットの季節傾向を数値化し、トレードに役立てることは出来ないかというコンセプトで開発されました。冬の暖房需要で原油や暖房油が上昇、夏はドライブ需要でガソリン、干ばつ懸念から夏にはコーンや大豆、砂糖の春高、株ではサマーラリーやクリスマスラリーと、季節によって相場の動きに一定の傾向が出るのは誰でも口にしますが、一体それはいつ、どの程度の強さで表れ、どの程度正確なのでしょうか。この指数はこうした疑問を解決するのに役立ちます。
指数は一週間をベースとしてあります。第1週から52週まで、それぞれの週は1年のうちでどのような傾向があるのかを、季節ファクターと季節トレンド指数という2つの指標から判断します。
季節ファクター (Seasonal Factor)
季節ファクターは、一年の中でその週が割安なのか、割高なのかを図る指標です。経済指標の季節調整値を算出するのに用いる方法とほぼ同じと考えてください。「ほぼ」としてあるのは、実際にどのような計算式を用いているかは分からないからです。0を中心に、プラスが割高、マイナスが割安です。為替や債券など、あまり季節性のない相場なら数パーセントの範囲内に収まりますが、変動の多い相場ならプラス、マイナス10%以上に広がります。
季節トレンド指数 (Seasonal Trend Index)
季節ファクターでは割高、割安を判断できますが、それだけでは今後の方向性は見えてきません。割高だからすぐに値下がりを始めるとは限らず、更に割高になることもしばしばあるでしょう。そこで、この季節トレンド指数の登場です。これは現在から2週後、4週後といった一定期間内の相場の動きを指数化したものです。プラスが強く出ればこの先上昇する可能性が高く、マイナスが強く出れば下落すると考えます。ゼロに近ければ特にどちらに動くといった傾向はありません。指数は大体プラス、マイナス20.0前後の範囲に収まりますが、季節性が強く出るものでは30.0、40.0という数値が出ることもあります。指数は期間内の上昇、下落率の平均を標準偏差で割ったものの標準正規累積分布がベースになっています。指数の算出方法が理論的にどこまで正しいのかはわかりませんが、結構使える指数です。私は経済学の博士ではないので、実践で使えればそれでまったく問題ありません。
データベース
指数は週の平均価格を基に、1988年から2007年8月末までの値動きから算出しています。取引開始が遅かった天然ガスは1991年から、ユーロは2000年の発足前は欧州バスケット価格を使用しています。何故19年かって? 特に理由はありません。19年というのは生まれた赤ん坊が成人になるほどの長い期間ですが、統計サンプルとして考えればたったの19回か20回、決して十分な数とはいえません。一方、最近の傾向を見るのなら5年とか7年程度の方が良いのではとも考えましたが、さすがにこうした短い期間では数字にばらつきが多すぎて、使いものになりませんでした。
指数の有効性
自分で作っておいてこんなこと言うのもなんですが、私自身はこの指数を100%信じている訳では決してありません。こんな指数で儲かるのなら何の苦労もいらないでしょう。ただ、指数が強く出る時は、そこに何らかの理由が存在しているはずです。私はそうした理由を見つけ出し、ファンダメンタルズ分析をより深みのあるものにするためにこの指数を利用しています。また実際にポジションを持つ際、季節トレンドが後押ししている場合は少し多めにするとか、トレンドに逆らっている場合は少なめにするとかの調整を行うこともあります。いずれにせよ、この指数に対し過大な期待を寄せることは禁物です。
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