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2006年11月23日(木)

コーンの生産推定引き下げと今後の価格動向
 [穀物・大豆]

コーンは好調な輸出や生産見通しの引き下げなどを手掛かりにここ数ヶ月騰勢を強めており、
9月安値からの上昇率は50%以上に達している。ファンダメンタルズの強さを背景にこの先
まだ上昇の余地があるとの見方がある一方、急激な値上がりで高値警戒感が出ている
ことも確かだろう。この先価格はどのように動くのだろうか。

まず、ここまでの価格上昇を支えてきた要因として、以下の点を挙げることが出来よう

1. イールドおよび生産推定の引き下げ
2. 期末在庫の低さ
3. 世界的な需要増に支えられ、好調さを持続する輸出
4. エタノール需要の伸び

一方、今後も価格上昇が続くかについては、次のような懸念材料もある

1. 国内需給の逼迫にともなう輸出の伸び悩み
2. 価格高騰に伴う需要低下(レイショニング)
3. 代替品への需要シフト(主に飼料需要)
4. 来年度以降の作付増加

今回は穀物分析の原点に戻り、供給面に焦点を当てて今後の値動きを予想してみたい。

収穫期の生産推定引き下げ

米農務省(USDA)は10月と11月の需給報告で、イールドと生産高の推定を前月から
下方修正した。この引き下げが現在に至る価格上昇を引き起こしたきっかけとなったことは、
疑いの余地もないところだ。

収穫期に入るこの時期、USDAがイールドを引き下げることはあまり多くない。生育に重要な
影響を与える夏場に気温が上昇すれば、USDAもある程度それを織り込んだ控えめな
イールド推定を出す。しかしながら、イールドに致命的なダメージを与えるような干ばつと
なることは稀にしか起こらない。このため、9月以降にイールドを上方修正することが
多くなるわけだ。1973/74年度以降の34年間で、収穫期に入る9月から11月にかけて
生産推定が引き下げられたのは、今年を除いて9回しかない。

春までの価格動向

では、こうした年はその後価格がどのように動いたのだろう。次年度の作付意向調査が
発表され、新穀の生産に市場の注目が移り始める3月までの値動きについて検証してみた。
なお、生産の引き下げが1%以下の小幅修正にとどまった年(86/87年と84/85年)は、
分析の対象からはずしてある。

生産推定が1%を超える引き下げとなった7回の今後の値動きを見ると、翌年3月の平均
価格が11月から上昇している年が3回、下がっている年が4回となっている。一方、
3月までの高値で見てみると、高値が11月の価格を10%以上上回った年が3回あり、
逆に3%以下の上昇しか見られなかったのは2回だけだ。価格のピークがどの時期に
なるのかには差があるが、こうした年は冬場も引き続き価格が上昇する傾向が強いといえよう。

在庫率の低迷

需給逼迫の目安とされる在庫率(期末在庫を総需要で割ったもの)を加えると、この傾向は
更に強まってくる。在庫率が15%を割り込んだ年は95/96年、93/94年、80/81年、
74/75年、73/74年の5回だが、このうち3回は翌年3月までに10%以上の大幅上昇を
記録している。(上昇率の低かった80/81年、74/75年は、いずれもその後在庫率が
上方修正されている。)

収穫期のUSDA生産推定の推移
(出所:米農務省)

生産年度 9月 10月 11月 修正(9→11月)
2006/07年 生産 11114 10905 10745 ↓3.32%
在庫率 10.2% 8.4% 7.9% ↓ 2.31
2000/01年 生産 10362 10192 10054 ↓2.97%
在庫率 22.6% 18.0% 16.6% ↓ 6.02
1995/96年 生産 7832 7541 7374 ↓5.85%
在庫率 8.5% 8.1% 7.4% ↓ 1.10
1993/94年 生産 7229 6962 6503 ↓10.04%
在庫率 16.6% 13.6% 11.4% ↓ 5.28
1990/91年 生産 8118 8022 7935 ↓2.25%
在庫率 17.0% 15.7% 15.4% ↓ 1.66
1986/87年 生産 8268 8220 8223 ↓0.54%
在庫率 76.8% 81.6% 84.4% ↑ 7.60
1984/85年 生産 7552 7498 7527 ↓0.33%
在庫率 14.0% 15.5% 15.8% ↑ 1.78
1980/81年 生産 6534 6467 6461 ↓1.12%
在庫率 11.8% 9.4% 7.2% ↓ 4.59
1974/75年 生産 4995 4718 4621 ↓7.49%
在庫率 6.9% 6.7% 5.7% ↓ 1.20
1973/74年 生産 5768 5763 5678 ↓1.56%
在庫率 12.5% 12.5% 10.9% ↓ 1.59

今後の価格動向

生産年度 8月平均 11月平均 3月平均 12-3月高値
2006/07年 5月限 272 3/4 370 3/4 210 2/4
騰落率 ↑ 35.93%
2000/01年 5月限 212 2/4 229 2/4 210 2/4 240
騰落率 ↑ 8.02% ↓8.25% ↑ 4.61%
1995/96年 5月限 295 2/4 337 399 410 2/4
騰落率 ↑ 14.07% ↑ 18.37% ↑ 21.78%
1993/94年 5月限 254 1/4 285 1/4 280 3/4 316 1/4
騰落率 ↑ 12.23% ↓1.64% ↑ 10.84%
1990/91年 5月限 255 2/4 244 253 259 3/4
騰落率 ↓4.42% ↑ 3.69% ↑ 6.42%
1986/87年 5月限 186 1/4 184 1/4 160 2/4 184 2/4
騰落率 ↓0.96% ↓12.97% ↑ 0.09%
1984/85年 5月限 296 2/4 286 3/4 277 3/4 285 1/4
騰落率 ↓3.32% ↓3.11% ↓0.49%
1980/81年 5月限 360 406 1/4 361 1/4 416 3/4
騰落率 ↑ 12.91% ↓11.07% ↑ 2.56%
1974/75年 5月限 355 378 2/4 285 386
騰落率 ↑ 6.64% ↓24.70% ↑ 1.96%
1973/74年 5月限 273 2/4 264 3/4 296 1/4 349
騰落率 ↓3.16% ↑ 11.87% ↑ 31.82%

この先も値上がりは継続

今年度(06/07年)は9月から11月にかけて生産推定が3.3%引き下げられ、しかも
11月現在の在庫率は7.9%と11年ぶりの低さとなっている。過去の例に照らし合わせて
みれば、この先も価格上昇が続く可能性は高いといえよう。

もちろん、これまでの値上がりを考えれば、買われ過ぎ感が相当高いことは否めない。
だが、今回の強気相場は生産面のみならず、好調な輸出やエタノール需要といった
需要面に支えられていることも忘れてはならない。つい最近までの原油を見ても
分かるように、需要が強い相場というのは大きく値を崩すことが少なく、ファンドなどの
投機資金を買い安心感を高める効果もある。

ましてや、コーン市場はエタノール生産需要という、これまでは存在しなかった
大きな要素を織り込もうとしている最中でもある。
エタノール需要がどの程度の影響力を持つかはまだまだ未知数だが、
少なくともこれまであった需給の常識を大きく崩し始めていることは確実だろう。
今冬だけにとどまらず、長期的に見てもかなりの強気相場が続くのではないだろうか。

PDFファイル(23KB)

Analisys Corn 2006-1123 (23KB)

* PDF版レポートのダウンロードはこちら →

Posted by 松      コメント ( 0 )

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