2006年11月5日(日)
金は何についていくのか - 2
[メタル]
長期金利との相関関係
次に長期金利との関係を見てみたい。
10年債のイールドと比べてみた。
こちらは正の相関関係が比較的強い。
金利上昇局面では金も上昇しているわけだ。
感覚的には金利上昇⇒ドル買いで金には弱気に働くと
思われるが、一概にそうでもないようだ。、
金利上昇⇒インフレ懸念、あるいは景気後退⇒金買いという
論理の方が強く働いているということが出来るだろう。
ドルの場合と同様、今年の4月から6月にかけては
強い相関関係がかなりの期間持続していたことが分かる。
資金の流れという側面から見ると、春には債券から金市場への
資金の移動、9月にはその逆の動きがあったと言えよう。
一方、地政学リスクという軸で考えてみると、リスクが
高まった際には安全資産として債券も金も同時に買われ
(金利は低下)、相関関係は大きく負の方に振れる筈だ。
グラフを見ると7月にそういう傾向が見られるが、
ちょうどこの頃にはイランの核開発を巡って
欧米側がイランに対し妥協案への回答を迫るなど、
国際的な緊張が高まっていた時期と合致する。
現在急速にマイナスの方に向かっているのも、
イランが軍事演習を行うなど国際的緊張が
高まりつつあることが要因になっているのかもしれない。
TIPS-米国債スプレッドとの相関関係
では同じ金利でも、インフレ指標として利用される
インフレ連動債(TIPS)と通常国債のスプレッドではどうだろう。
金がインフレ懸念に敏感に反応するのなら、
きれいな正の相関関係が出てくるはずだ。
残念ながら5月以降のデータしか手元にないのだが、
7月に一度崩れた以外は、強い相関関係を維持している
ことが分かる。動き自体は、10年債イールドの場合と
ほぼ同じ傾向をもっているようだ。
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