2010年01月12日(火)
11月貿易収支、364億ドルの赤字で予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した2009年11月の貿易収支は364億200万ドルの赤字となった。前月から9.68%拡大し、1月以来の大幅赤字。市場予想も上回った。なお、10月の赤字は速報の329億3600万ドルから331億8900万ドルに引き上げ。修正値も反映させて2009年の貿易赤字は11月までで計 3406億2000万ドルとなり、前年同期から47.92%縮小した。
輸入が2.61%増加し、前月の伸び率0.69%(修正値)を大きく上回った。この結果、1746億3900万ドルと2009年最高を更新。輸入拡大の背景にある一つが工業品で、エネルギー関連による。原油の輸入が季節調整前で前月から 2.09%増加に転じ、178億595万7000ドルとなった。買い付け規模自体は日量818万2000バレルと前月より2.00%、2ヶ月連続ダウン。しかし、単位価格が前月の67.39ドルから72.54ドルに上がり、2008年10月以来の高水準となった。原油は季節調整後でも工業品で最も増加幅が大きく、このほか石油製品も工業品で前月比マイナスが目立つ。
資本財は3.81%アップで、消費財が3.70%増加した。いずれも3ヶ月連続のプラスであり、また11月の伸び率がこの間で最高。一方、食品・飼料・飲料は10月に4ヶ月ぶりのプラス転換したのが、11月には2.27%と再び減少だ。自動車関連も0.32%ダウン。小幅ながらも前月を下回ったのは6ヶ月ぶりだった。サービス輸入は3.14%増加した。
11月の輸出は一ヶ月前から0.89%増加した。7ヶ月連続プラスであり、1382億3700万ドルと2008年11月以来の高水準も更新。しかし、伸びペースは 2ヶ月続けて2.7%以上だったのから大きく鈍った格好になる。モノの輸出が1.24%増え、これも5月からの増加基調を続けながら、プラス幅は10月の半分以下。食品・飼料・飲料が16.64%と2009年で初めての2ケタ増。また自動車関連が9.01%、資本財1.07%とそれぞれ増加した。反面、工業品が1.85%、7ヶ月ぶりの減少に転じた。消費財も5.24%ダウン。3ヶ月ぶりのマイナス転落で、また1月以来の大幅減である。サービス輸出は 0.15%増加。6ヶ月連続のプラスだが、11月はこの間で最も低い伸びだった。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比6.22%増の407億1300万ドルだった。非石油が6.23%、石油関連6.22%それぞれアップ。
国別で赤字最大の対中国が202億2400万ドルとなった。前月の226億6300万ドルから縮小した。日本とのギャップは前月の44億2300万ドルを上回る54億3300万ドル。メキシコも45億5400万ドルから51億3900万ドルに拡大。それでも、日本より少なく、この結果、10月時点ではメキシコが中国に次いで2番目に赤字規模が大きい国だったのが、11月は日本が2位になった。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は60億8200万ドルで、前月の58億 4300万ドルより増えた。
Posted by 直
2010年01月08日(金)
12月非農業雇用数は前月から8.5万人減少、11月は増加に修正
[経済指標]
米労働省が発表した2009年12月の非農業雇用数は前月比8万5000人減少した。市場が見通していた以上のマイナス幅である。ただ、11月の雇用が速報で前月比1万1000人減だったのが4000人増に転換。11月に2008年1月から続けていた前月割れが止まっていた格好になる。10月の減少数は 12万7000人と従来推定の11万から拡大。
修正分も含めて2009年の非農業部門雇用数は年初からあわせて416万4000人減少した。2008年に307万8000人で記録した過去最大の前年比マイナスを更新。月平均34万7000人減ったことになる。
12月の政府雇用が2万1000人減少しており、このため民間だけでは6万4000人と全体より小幅マイナスになる。なお、民間雇用にしても11月分が横ばいに改定。
鉱業や建設を含めた製造全体の雇用が8万1000人ダウンとなった。2007年12月から前月を下回ったままであり、また12月は前月以上の減少だ。建設業は前月を5万3000人下回った。前月の2倍近くの減少になる。住宅建設で前月より3000人多い3800人のマイナス。非住宅では11月分が300 人増加(改定値)したのが12月に7700人減に転じた。鉱業が1000人減少。11月の鉱業雇用は速報時に1000人減だったのから4000人増に改定で、12月に再びマイナス転落していたことになる。
製造業だけなら2万7000人減った。2007年12月から前月を上回ったことはないが、11月の減少数が速報の4万1000人から3万5000人に改定となり、12月はさらにマイナス幅縮小だ。背景にあるのが耐久財の前月を下回る1万 6000人ダウン。耐久財メーカーで雇用減少がまだ増加よりも多いが、それでも木製品や一次金属、非金属鉱物、通信機器などが前月から増えた。非耐久財は 1万1000人減り、こちらは2ヶ月ぶりに1万を超えるマイナスだ。食品、紙・紙製品、化学をはじめ大勢が前月から落ち、しかし、アパレル、テキスタイルが増加した。
サービス業は4000人減少した。前月に2007年12月以来の増加だったのから12月には再びダウン。ただし、民間サービスに限れば1万7000人増加で、前月よりは小幅ながらもこれで2ヶ月連続アップだ。内訳では、プロフェッショナルサービスが5万人増加。前月より伸び悩みながらも、これで4ヶ月連続アップ。事務関連や建築、コンピューターシステムデザインの需要が堅調だった。また、このカテゴリーに入る短期派遣が4万 6500人増えた。景気回復を確信できない間の需要対策といわれる短期派遣も前月は下回るプラスだが、8月から連続増加だ。
教育や医療の需要も引き続き上向き、12月はまた金融関連が4000人、2007年7月以来の増加となった。このカテゴリーの中で不動産関連は前月比マイナスだが、金融機関・保険が9900人増えた。これも2007年7月以来のプラス転換で、しかも増加数自体は2006年9月以来の大幅増である。
小売は全体で1万200人減ったが、前月よりは小幅ダウンだ。業種別でも一般総合店や百貨店、飲食品店などが前月割れとなった一方で自動車ディーラー、ヘルスケア、建築資材・造園などは増加とまちまち。
政府雇用は3ヶ月ぶりの減少となり、このうち連邦政府で9000人、2ヶ月連続ダウンだった。州政府は3000人のマイナスで、前月を下回ったのが7月以来。自治体も9000人減り、3ヶ月ぶりのマイナス転落だ。
週間平均労働時間は2ヶ月連続して33.2時間だった。市場予想とも一致。時間あたり賃金は18.80ドルとなった。前月比 0.16%上がり、これで8ヶ月連続アップ。ペースは前月と同じだった。市場予想よりは若干低めの伸びである。賃金は前年同月と比べると2.17%上昇し、2004年8月以来の小幅プラスだった。
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12月失業率は9.97%、前月からほぼ変わらず
[経済指標]
米労働省が発表した2009年12月の失業率は9.97%となった。前月からほぼ変わらず。市場予想の範囲内である。
失業率の母数で、実際に就労中の人や就職活動を行っている失業者、学生など自己申告をベースとした労働力人口は4ヶ月連続で減少し、また労働力人口への参加率は前月の 64.9%(修正値)から64.6%にダウン。これは1985年8月以来の低水準だ。労働力人口に参加しなかった向きが7ヶ月連続で増え、しかも12月はこの間で最も大幅プラス。労働力人口には参加しないながらも仕事を求めている向きは4ヶ月続けて増えた。
労働力人口のうち失業者が前月比0.48%減り、2ヶ月連続マイナスだった。就業者も0.43%ダウンである。就業者が人口全体に占める比率は前月から0.3ポイント下がって58.2%となり、これは1988年7月以来の低水準。
Posted by 直
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