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2010年01月06日(水)

FOMC、緩慢な景気回復見通しで一致・議事録
  [金融・経済]

米連邦準備理事会(FRB)が6日に発表した昨年12月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、FOMCは一部経済指標の予想以上の改善を認識しながらも緩慢な景気回復にとどまるとの従来の見通しで一致していた。過去の金融危機後にみられたスローペースでの経済成長を見越し、一方でメンバーの大勢は生産と雇用の立ち直りが過去の回復局面に比べると遅くなると予想。失業率の低下は極めて緩やかになると見通した。

議事録が示す景気に関する討議結果は、FOMCが会合後に発表した声明とほぼ同調といえるが、それでも慎重ムードがやや強めなことも受け止められよう。例えば、FOMCは雇用を最大の気掛かりとみなしていた。失業率が高水準にあることだけでなく、労働力人口への参加比率が25年ぶりの低水準にあることや労働時間の減少などが雇用に対する懸念を強めるとのこと。昨年11月の雇用統計は事前見通しよりも遙かに良かったとしながら、労働市場の回復を確信するには単月のデータ以上が必要とした。

メンバー間では雇用数の減少ペース鈍化の背景にあるのはレイオフの一服であり、雇用に積極的な企業は限定的との見解が挙がった。このほか、企業サイドは目先の需要増加には新規採用よりも、就業時間の延長や生産性の引き上げで対応する意向と指摘するなど、複数の雇用見通しを不透明にさせるサインを取り上げ。ただ、最近の短期派遣の増加が将来の雇用拡大につながり得ることは歓迎ともした。

FOMC はインフレが落ち着いていると判断し、また目先も上昇抑制を見越していた。ただ、一部メンバーは、FRBが目標とする最大限の雇用と物価安定を維持できる水準を向こう数年間に下回る可能性があると懸念を示した。これは賃金や単位雇用コストの低下を理由にしており、また、不安定な景気動向の中で値上げしにくいことも挙げている。反面、金融緩和政策と巨額の財政赤字を指摘して中期的なインフレ上昇のリスクを警戒する向きもあるなど、メンバー間で見通しに開きがあったようだ。

FOMCは金融政策の変更見送りで全会一致としながらも、メンバーの一部は需給改善が緩慢なことを理由にFRBの資産買い取りプログラムを拡大し、さらには今年3月以降も継続することを提案した。景気見通しが弱含むあるいは住宅ローン市場の悪化などが起きるようなら、プログラムの拡大は必要という。しかし、一人のメンバーは金融市場の改善と景気見通しから資産購入規模の削減に支持を示した。

Posted by 直   

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