2010年04月06日(火)
超低金利政策の長期継続声明でも決定は景気次第・FOMC議事録
[金融・経済]
米連邦準備理事会(FRB)が6日に発表した3月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、複数のメンバーが金融政策の行方について景気の展開次第とみなしていたことを明かした。声明では目先例外的に低い金利環境が続くとの見通しを繰り返していたが、一定期間を意識しているのではないと強調。また、期間を限定させることがなければ、経済活動の加速あるいはインフレ圧力が台頭するようになったら迅速に引き締め政策に方針変更しやすいと指摘していた。
逆に景気見通しの悪化あるいは一段の物価下落とみられるようなら、超低金利政策の継続期間が伸びるだけとの見方でもあった。特に、現時点で利上げのタイミングが遅れることによるリスクよりも早すぎる金融引き締めに伴うリスクの方が大きいと判断するメンバーがあったとしている。事実上のゼロ金利政策であり、利上げ幅に問題はない一方で、引き下げ余地はほとんどないためとのことだ。
議事録によると、FOMCは金融市場、金融機関の資産価値やレバレッジ水準などの監視継続に重点を置いていた。会合時には市場の悪化、あるいは金融機関による過剰なリスクの拡大といったニュースは無かったが、景気回復を促進させ、また物価の落ち着きを維持するために全ての手段を講じ続けると情勢改善に努める意向を改めて示することで全会一致していた。
景気に関すると、経済指標などから経済活動が強くなりつつあることを示していると受け止める一方で、景気回復のペースが鈍る要素も複数あることを認識していた。特に、目先は政府の景気対策による効果が徐々に小さくなっていくことなどに関心があったもよう。海外の財政問題が景気のスローダウン、さらには米国輸出への需要に影響する可能性を挙げるメンバーもあったとしている。
声明では、需給のギャップが大きいためにコスト上昇圧力が引き続き弱まる可能性があるとの見方を示唆し、長期的なインフレ期待は落ち着くとしていた。それでも、一部のメンバーは中期的なインフレ見通しについて上振れの可能性をみていたとのこと。巨額の財赤字、異例的な緩和政策を理由にしていたようだ。
Posted by 直