2009年12月10日(木)
10月貿易収支は329.3億ドルの赤字、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した10月の貿易収支は329億3600万ドルの赤字となった。前月から7.62%縮小し、市場予想も下回る。なお、9月の赤字は速報の 364億7200万ドルから356億5000万ドルに引き上げとなり、また4月から8月までのデータも改定。修正値も反映させて貿易赤字は年初から計 3039億6300万ドルで、前年同期から50.24%縮小した。
10月の輸出は一ヶ月前から2.59%増加した。6ヶ月連続プラスで、 1368億4200万ドルと昨年11月以来の高水準である。モノの輸出が3.59%増え、これも5月からの増加基調を続けた。全てのカテゴリーが前月からアップ。中でも、消費財が7.74%と2月以来の高い伸びとなり、カテゴリー別でも最大のプラスとなった。医薬品や美術・骨董、楽器、アパレルなどが増加幅で上位にある。自動車関連は5.55%、5ヶ月続けて増えた。資本財は民間機や半導体、コンピューター関連などを中心に3.73%増加。工業品は前月を 1.60%上回り、化学肥料や金属、原油などの伸びが目立つ。これで6ヶ月連続アップである。食品・飼料・飲料が2.86%増加に転じた。サービス輸出は 0.50%増え、5ヶ月連続のプラス。
輸入が0.44%増加し、1697億7800万ドルと今年最高を更新した。ただ、輸出に比べると小幅プラスのため赤字縮小である。輸入もほとんどのカテゴリーが増加する中、工業品だけ4.20%減少。背景にあるのが原油。季節調整前で前月から 10.61%減少し、174億4131万3000ドルとなった。2月以来の1割ダウンである。単位価格が8ヶ月ぶりに下げて67.39ドル。買い付け規模は一ヶ月前より12.49%落ちて、日量834万9000 バレルとなった。原油は季節調整後でも工業品で最も減少幅が大きい。このほか、工業品で前月比マイナスが目立つのは燃料油や銅、化学品など。
一方、資本財は3.64%アップとなり、コンピューターや半導体、民間機、医療機器などの輸入が進んだ。食品・飼料・飲料は3.07%、4ヶ月ぶりのプラス転換。消費財は医薬品やアパレル、テレビなどを中心に2.79%増加した。自動車関連が255%アップ。5ヶ月連続増加だが、伸び率は前月に1割を超えたのから大きく下がった。サービス輸入は 0.21%増加した。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比8.41%減の380億100万ドルだった。非石油が13.23%、石油関連3.91%それぞれダウン。
国別で赤字最大の対中国が226億6300万ドルとなった。前月の221億100万ドルから拡大した。反面、日本とのギャップも前月の41億3000万ドルを上回る44億2300万ドル。2位のメキシコは45億5400万ドルと、前月よりやや縮小である。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は58億 4300万ドルで、前月の78億7200万ドルより少ない。
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失業保険申請件数は前週から1.7万件増加、予想上回る
[経済指標]
米労働省が発表した12月5日までの週の失業保険新規申請件数は47万4,000件となった。前週から1万7,000人増え、6週間ぶりの弱気転換、市場予想も上回った。なお、11月21日までの週の申請件数は従来推定の46万2,000件から46万3,000件に改定となった。
雇用情勢をより良く映すといわれる4週平均は5日時点で47万3,750件だった。前週の48万1,500件(修正値)から14週続けての減少で、こちらは昨年9月27日までの週以来の低水準。
失業保険の継続受給件数は11月28日時点で515万7,000件となった。前週からは30万3,000件と大幅に減少。前週に9月5日までの週以来の前週比プラスとなったのが、再びマイナスに転じ、2月21日時点での507万4,000件に次ぐ低水準となった。継続需給のデータは新規申請件数より一週間遅れとなる。
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2009年12月04日(金)
11月非農業雇用数は1万1,000人の減少、予想大きく下回る
[経済指標]
米労働省が発表した11月の非農業雇用数は前月比1万1000人減少した。昨年1月から23ヶ月連続ダウンだが、11月はこの間で最も小幅マイナス。市場予想も大きく下回った。また、10月の減少数が速報の19万人から11万に改定。9月分も13万9000人と従来推定の21万9000人から大きく縮んだ。
11月の政府雇用が7000人増加しており、このため民間だけでは1万8000人と全体よりやや大きな減少になる。民間雇用は昨年1月から連続ダウンであるが、やはりこれまでで最小。
鉱業や建設を含めた製造全体の雇用が6万9000人ダウンとなった。昨年5月以来の小幅減少。このうち鉱業が1000人ダウンで、前月の6000人(修正値)よりマイナス幅は小さい。建設業は2万7000人減。2007年11月以来、ちょうど2年ぶりの小幅減となる。住宅建設で500人、非住宅では600 人それぞれ減少、いずれも極めて限定的なレイオフにとどまった格好。
製造業だけなら4万1000人減った。2007年12月から前月を上回ったことはないが、前月からは1万人少ないマイナスで、削減ペースはスローダウン。耐久財3万3000人、非耐久財8000人とともに前月から再びダウン。しかし、いずれも前月は下回る減少だった。製造業の大勢は依然として前月を下回るも、耐久財では家具が1400人増加した。これは2007年4月以来のプラス転換であり、また2005年8月以来の大幅増加である。非耐久財は耐久財以上に改善した業種が目立つ。プラスチック・ゴム、化学、テキスタイルが増加し、比較が横ばいだ。
サービス業は5万8000人増加した。しかも、10月分が速報の6万1000人減から2000人増に修正で、 2ヶ月連続増加になる。2008年1月から続いた連続減少は一服の格好だ。民間だけでは5万1000人増で、ややプラス幅は縮小だが、民間サービスが前月を上回ったのは2007年12月以来である。
前月からの改善が進んだのがプロフェッショナルサービスで、8万6000人増えた。3ヶ月連続アップで、また2006年11月以来の大幅プラス。事務関連の伸びに加え、コンピューターシステムデザインもアップ。また、このカテゴリーに入る短期派遣が5万2400人増えた。8月から続けて前月を上回っており、また11月は2004年10月以来で5万を超える増加数となった。
教育や医療も依然として需要が高い。一方、小売は全体で1万4500人減ったが、業種別ではまちまち。自動車ディーラーは2200人増えて、夏に政府の新車買い換え奨励プログラムに伴って増加した以来の大幅プラス。一般総合店では8100人、百貨店に限れば7500人と揃って1月以来の大幅プラス。家具やスポーツ・書籍・音楽も前月より多い。金融は1万人減り、金融機関で6000人減少したが、不動産はプラス転換。
政府雇用に関すると、連邦政府で1000人増加と、3ヶ月連続アップも前月から大きく伸び悩んだ。州政府が5000人、自治体1000人のプラス。いずれもまた前月より小幅増である。
週間平均労働時間は前月と同じ33.2時間だった。前月の過去最少33.0時間から予想以上に伸びた。時間あたり賃金は18.46ドルだ。前月比 0.05%上がり、前月から上昇ペースが鈍化。市場予想も下回る。また、前年同月と比べると2.18%上がり、これは2004年8月以来の低い伸びとなった。
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11月失業率は9.99%に低下、予想下回る
[経済指標]
米労働省が発表した11月の失業率は9.99%となった。ほぼ10%であるが、前月の10.20%からは4ヶ月ぶりの低下。市場予想も下回った。
失業率の母数で、実際に就労中の人や就職活動を行なっている失業者、学生など自己申告をベースとした労働力人口は前月を下回った。労働力人口への参加率は前月の65.1%から65.0%に下がり、1986年2月以来の低水準だ。労働力人口に参加しなかった向きが6ヶ月連続で増え、仕事を求めている向きは3ヶ月続けて増加。
労働力人口のうち失業者が前月比2.07%減り、4ヶ月ぶりのマイナス転落となった。就業者は0.16%増加。小幅ながらも前月を上回ったのは4月以来で、今年2回目である。それでも、就業者が労働力人口で占める比率は前月と同じ58.5%で、これは1983年10月以来の低水準。
Posted by 直
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