2009年01月30日(金)
10-12月期GDPは3.80%のマイナス、予想ほどの落ち込みとならず
[経済指標]
米商務省が発表した2008年10-12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比3.80%減となった。1990年10-12月期-1991年 1-3月期以来の2四半期連続マイナス成長であり、また1982年1-3月期以来の大幅減少である。ただ、市場が予想していたほどは落ち込まなかった。
経済の3分の2を占める個人消費が前期から3.52%減である。GDP同様に1990年10-12月期-1991年1-3月期以来で2四半期連続して前期を下回った。ただ、前期に比べてマイナス幅はやや縮小。耐久財消費は22.37%と1987年1-3月期までさかのぼる減少だった。自動車及び自動車部品が 38.26%、家具・家庭用遺品9.21%それぞれダウン。非耐久財は7.12%のマイナスで、前期とほぼ同率。食品が13.82%落ちて、これは前期以上だが、衣料品は9.72%でややスローダウン。またエネルギー製品が25.87%のプラス転換である。サービスは1.73%増。前期に0.07%と小幅にも1991年1-3月期以来の前期割れとなったのから増加に転じた。
企業の設備投資が19.08%落ちた。1975年1-3月期に約2 割減となった以降みることのなかった前期比マイナスである。中でも機器・ソフトウエアが27.82%ダウンときつい。建造物も1.71%減。住宅投資は 23.58%減少した。12四半期連続の前期割れであり、またこの間で3番目に大きなマイナスだ。
貿易赤字は3564億ドルとなった。前期の3531億ドルからやや拡大。GDPには0.09ポイントと7四半期連続してプラス貢献だが、この間で最も小さい寄与度である。輸出が19.75%落ち、これは1974年7-9月期以来の大幅マイナス。モノに限れば27.65%ダウンとなり、これは1971年10-12月期に4割以上落ちて以来だ。サービス輸出は0.61%増。2007年4-6月期から前期を上回っているが、これまでに最小プラスになる。輸入は15.72%と1980年7-9月期以来の大幅減で、このうちモノが18.78%、1982年10-12月期以来の落ち込み。サービス輸入は0.94%増え、前期から著しく伸び悩んだ。
在庫投資は前期から62億ドル増加し、GDPに1.32ポイントと2005年10-12月期以来の大きな貢献となった。このうち非農業部門で1.33ポイント、やはりちょうど3年ぶりの大幅寄与度である。しかし、農業部門ではGDPを0.01ポイント削減した。
政府支出は1.85%増加した。3四半期ぶりの低い伸び。連邦政府ではこの一年間で最小プラスの2.12%。しかし、地方政府は0.47%減少で、2005年1-3月嫌いの大幅マイナスだ。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が5.54%低下に転じた。エネルギーと食品を除いたコア指数は0.55%上昇で、著しいスローダウン。前年同期と比較すると全体指数伸び率が1.74%、コア指数1.84%となった。
Posted by 直