2009年04月03日(金)
3月非農業雇用数は66.3万人減少、予想やや上回る落ち込み
[経済指標]
米労働省が発表した3月の非農業雇用数は前月比で66万3000人減少した。市場予想を上回る落ち込みだ。しかも、1月の前月比が従来推定の65万 5000人から74万1000人に改定され、これは1949年10月以来の大幅マイナスで、過去3番目の減少という。2月は65万1000人減で据え置き。雇用はこれで昨年1月から15ヶ月連続、計513万3000人減った。このうち、今年1-3月期の減少数は205万5000人であり、1945年 7-9月期に264万8000人落ちたのに次ぐマイナス幅だ。
3月の雇用は民間だけだと65万8000人減った。政府が5000人、3ヶ月ぶりに前月を下回ったため、全体雇用より小幅マイナス。しかし、民間雇用は前月の65万4000人を上回る。また、1月分が74万9000人と従来推定の68万6000人より大幅改定となり、やはり1949年10月まで遡る激しい落ち込みとなっていた。
3月の雇用は引き続きほとんどのカテゴリーで前月からダウンである。鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用が30万5000人、前月以上に落ちた。一方、製造業だけならペース鈍化で、16万 1000 人と昨年11月以来の小幅マイナスだ。耐久財が12万5000人、非耐久財3万6000人それぞれ前月以下の減少。業種によっても前月からスローダウンしたものが少なくない。それでも、業種別ではほぼ軒並み前月比マイナス。増加したのは飲料・タバコと通信機器ぐらいだった。
建設が12万 6000人減少した。2007年7月からの減少を続け、3月は前月より9000人多い人員削減だ。住宅建設が1万8000人と1985年からの記録で最大の減少となった。商業用は1万5400人減。1月に初めて2万を超える前月比マイナスとなったのから2月には1万2600人(修正値)にスローダウンしたのが、3月に再びピッチが早まった格好である。
天然資源・鉱業の雇用は5ヶ月連続前月比マイナスとなった。3月は前月の2倍の1万8000人で、1986年5月以来の大幅減少でもある。
サービス業は35万8000人減り、政府の減少分を差し引いて35万3000人ダウンとなった。いずれも前月より小幅マイナス。サービス業で比率の高い小売が 4万7800人減った。自動車・部品のディーラーが1万6100人、建築資材・造園で1万3400人などの減少が目立ち、また家電も1万を超える前月割れ。ほかの小売も前月を下回る中、一般総合店だけが1万3800人増加した。
プロフェッショナルサービスで13万3000人のマイナスだった。1月や2月に比べて小幅減少だ。それでも、15ヶ月連続ダウンであり、事務や法律関連、会計などこのカテゴリーに入る業種は揃って再び前月を下回った。短期派遣はこのカテゴリーで落ち込みが目立った一つである。3月は7万1700人減。ただし、前月から減少ペースも鈍って、昨年10月以来の小幅ダウンになる。
金融が4万3000人減少した。2007年8月から20ヶ月連続のマイナス。このほか、娯楽やホテル・外食、メディアなども再び需要ダウンだ。また、教育が6800人減り、5ヶ月ぶりの大幅マイナスとなった。
一方、医療で需要は底堅い。ヘルスケアだけで1万3500人、ソーシャルアシスタンスを含めて1万4800人それぞれ増加した。ただ、いずれも前月以下のプラスだった。公益は900人、7ヶ月連続アップ。
政府雇用では、連邦政府が前月より7000人増えたが、州政府は3000人減少した。地方自治体でも9000人の削減だった。
週間平均労働時間は前月から33.2時間となった。市場の据え置き予想に反して0.01時間減り、1964年からの調査史上最小を更新した。時間あたり賃金は前月から 0.16%上がった。2006年5月以来の低い伸びになる。なお、2月の伸び率は速報で0.16%だったが0.22%に改定となった。3月の前年比は 3.35%上昇で、2005年1月以来の低い伸びとなる。
Posted by 直