2009年04月30日(木)
09/10年世界小麦生産は前年比5.38%減、IGC
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は30日に発表した世界穀物需給の月次報告で、2009/10年度の小麦生産見通しを6億5100万トンで据え置いた。前年度に6億8800万トンで過去最低を更新したとみており、この結果、減少に転じる見方である。
欧州、旧ソ連の冬小麦は満足できる状態にあるが、イールド確保にさらなる降雨が好ましいとコメント。米国では南部プレーンズの干ばつを緩和する雨に恵まれたという。ただ、土壌水分が高すぎて張る小麦作付が遅れているとも指摘。インドの豊作、中国も好調としている。さらにきたアフリカ、中東の生産増加を見通した。
2009/10年度世界小麦消費見通しを前月時点で見越していた6億4000万トンから6億4200万トンに引き上げ、前年比横ばいの見方になった。インドの食用需要増加を理由に挙げている。飼料向けは前年を700万トン下回るとし、一方工業用はEUのエタノール生産を反映して増加を見込む。
貿易は2008/09年度推定を1億1900万トンから1億2200万トンに改定し、2009/10年度に1億1200万トンにダウンの見通しで据え置き。前年割れを見通すのは、イランやトルコ、シリア、アルジェリア、モロッコがそれぞれ時刻の収穫改善で買い付けダウンとなるためとしている。さらにEUの供給増が輸入需要を押し下げるという。
期末在庫見通しは、2008/09年度分を200万トン上方修正して1億6200万トンとした。2009/10年度分は1億7100万トンを維持。8年ぶりの高水準になるとの見方だ。
IGCは、2009/10年度の世界コーン生産が7億7800万トンになるとの見通しを示している。前月報告で見越していた7億7500万トンから引き上げた格好になるが、前年割れの見方は維持した。
米国の作付が前年を下回ると見通し、これは作業が遅れていることや収益面から大豆にシフトが背景にあるとコメント。ただ、イールド上昇で、米国の生産は 800万トン多い3億150万トンになると見込む。欧州連合でも価格下落で減反の予想としている。一方、中国では政府補助で作付が上向く見通しだが、イールドが平均並みだと生産は落ちるとコメントした。なお、2008/09年度の推定は100万トン引き上げて7億8300万トンに改定した。
2009/10 年度コーン消費は前年から1800万トン増えて7億9100万トンになるとの見通しだ。米国のエタノール生産増加が需要を押し上げるとみる。飼料需要については、多くの国における景気減速による影響を懸念しながらも、価格下落で相殺として前年度より200万トン多い4億7100万トンと予想。
貿易は8300万トンで、前年度を400万トン上回る見方だ。欧州連合、カナダ。メキシコ、極東アジアでの輸入需要を指摘している。期末在庫見通しは前年度から1300万トン縮小して1億2900万トンになるとした。
Posted by 直