2008年04月08日(火)
FOMC、景気減速進行で追加利下げ必要とほぼ一致・3月議事録
[金融・経済]
米連邦準備理事会(FRB)が8日に発表した3月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、1月の前回会合以降景気減速が進んだことで見解がほぼ一致し、このためほとんどの委員が一段の金融緩和を必要と判断したことを明かした。議事録によると、多くのメンバーが今年前半に経済活動が縮小する局面は十分あり得ると警戒していた。
これまでの利下げや景気刺激策、また金融および住宅市場の安定化によって今年後半から来年にかけての改善見通しは根強かった。だが、中にはさらなる信用収縮やなお続く住宅市場の不振から景気減速が当初見越していた以上に深刻であり、また長期化することに懸念を表明した向きもあったという。
インフレについては、大勢が最近の統計に失望を示した。世界的な需給ひっ迫やドル安を反映しての農産物価格上昇、原油が記録的な水準で高止まりしているなどほかの商品の値上がりも進んだことが取り上げられたと記してある。一部の委員は企業サイドで生産コストが上がり続けているため負担を消費者に転嫁する計画と報告があったことを指摘した。
最も物価上昇に重点を置いたのがフィッシャー・ダラス連銀総裁とプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁である。両氏とも3月の会合で0.75ポイントの利下げに反対票を投じ、議事録によると足元のインフレが理由だった。フィッシャー総裁は海外からの影響を指摘し、また、プロッサー総裁はインフレ期待の落ち着きを示すサインを待っている間に手遅れになりかねないことを主張したという。
両氏とも目先の景気見通しが弱含んだことには認識を示しながら、昨年秋からの連続利下げによる効果が表面化していないとも強調したという。フィッシャー総裁は、さらなる金融緩和よりも金融市場の流動性を高める追加的な措置を講じることを提案したようだ。
しかし、FOMC委員のマジョリティーが景気の下振れリスクを重視して0.75ポイント利下げを支持する結果となり、委員の中には景気減速からインフレの進行余地が限られるとの指摘が出た。また、雇用コストの伸びは緩やかなことから、上昇余地が限定的なことを示す向きもあったようだ。このほか、米国内外の成長鈍化が石油など商品価格の上昇を抑制し、インフレ期待も安定するとの見方もあり、多くの委員は今年終わりから来年にかけて物価が落ち着く見通しを維持した。
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2月住宅販売ペンディング指数は前月比1.86%低下、予想下回る
[経済指標]
全米不動産協会(NAR)が発表した2月の住宅販売ペンディング指数は前月比1.86%低下した。1月分が上方修正となり、速報段階で前月比横ばいだったのが0.35%と3ヶ月ぶりの上昇に改定。このため、2月は再び落ちた格好で、NARのチーフエコノミストも販売不振の傾向が続いていることを示唆している。
市場別では西部が9.81%下がった。南部は5.45%のマイナスとなり、これで5ヶ月連続低下である。中西部では3.73%ダウン。北東部だけが3.16%の上昇だった。1月は全体で前年比21.38%低下し、市場別でも軒並み前年割れ。
ペンディング指数は最終的な売買契約にはまだ至っていない、現在契約中の中古住宅販売の件数を指数化したもので、住宅販売の先行指標となる。通常1、2ヵ月後には契約が成立、中古住宅販売の数字に反映される。
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トルコ、2009年5月までに小麦70万トンとコーン30万トン輸入へ
[穀物・大豆]
トルコの通信社IHAによると、トルコ政府は穀物局TMOを通じて2009年5月終わりまでに70万トンの小麦とコーン30万トンを輸入することに決めた。買い付けには課税しないともいう。
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OPEC議長、産油国による資源国有化を擁護
[エネルギー]
OPEC議長を務めるアルジェリアのヘリル石油相は8日、ロンドンのエネルギー会議でスピーチを行い、当面1バレル 100ドルの価格水準が続くとの見通しを示した。また、価格高騰は供給不足によるものではなく、米国の景気減速に伴うドル安によってもたらされているとの懸念も示している。
産油国による資源国有化の動きについては、国際石油企業との協力関係を築き上げることが出来れば、世界市場の中で十分に機能すると、必ずしも資源国有化が悪い方向に向かう訳ではないとの見方を示した。
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IMF、保有金403.3トンの売却を含む財政再建計画を発表
[メタル]
国際通貨基金(IMF)の理事会は7日、保有金403.3トンの売却を含む財政再建計画を正式に提案した。ストラウス・カーン理事によると、IMF理事会は今後数年間以内に4億ドルの財政赤字を解消する計画で、金売却の他に向こう3年間で1億ドルの予算削減も盛り込まれている。実際に計画が承認されるには米国代表の理事の賛成が必要だが、そのためには米議会が承認しなければならないという。
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2008年04月07日(月)
1-3月期米企業決算、ドル安による収益後押し上げ効果見通し
[金融・経済]
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、1-3月期の企業決算で海外展開する大手にはドル安による収益押し上げ効果があるとの見解を示している。特に対ユーロではドルが前年同期を20%以上下げていることを挙げ、インパクトも大きいことを指摘。
S&P500社は平均して前年同期比6%の減益見通し、金融セクターが全体の足かせであるとしている。また、金融では海外展開の比率が30%にとどまることも触れている。逆に、大きな為替差益が見込まれるのが、エネルギーやハイテク企業ともいう。
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欧州のエタノール生産伸び悩む・欧州バイオ燃料協会
[エネルギー]
欧州バイオエタノール燃料協会は7日、欧州連合(EU)のエタノール生産が伸び悩んだことを示すデータを発表した。協会によると、生産は2005、2006年と続けて7割の増加となったのが2007年には11%増にスローダウンした。原材料のコストが採算の取れない水準まで上がったうえ、ブラジル産が極めて割安になったことで輸入が過去最高となったことを生産ペース鈍化の理由に挙げている。複数のメーカーが生産を停止あるいは新工場の稼動開始や建設を延期、また計画を取り止めていることも明かした。
昨年の生産をEU加盟国別でみると、フランスが97%と最も高い伸びとなり、逆に13カ国中7カ国が生産を削減したという。規模でもフランスが5億7800万リットルと2006年に最高だったドイツを抜いて首位に立った。ドイツは9%近く減らして3億9400万リットル。最も落ち込んだのはスウェーデンで、規模にして7000万リットルにとどまったとしている。消費は約27億リットルで、このうち37%が輸入。ブラジル産は主にスウェーデン、英国、オランダでの消費が主に中心だったという。
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インド小麦主要生産地で10万ヘクタール相当の天候被害可能性
[穀物・大豆]
インドの主要小麦生産地ハリアナで約10万ヘクタールに相当する小麦が最近の降雨と雹の影響から被害が受けた可能性があると地元政府高官の発言が伝えられている。インドのメディア報道によると、同氏はパワール農相との会見後で記者会見し、現在状況調査を行っていると述べた。
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カザフスタン首相、穀物輸出関税もしくは出荷停止を検討
[穀物・大豆]
カザフスタンの国営メディアは7日、マシモフ首相が穀物輸出の関税設定もしくは出荷全面停止を提案していると報じた。報道によると、インフレ抑制が目的で、首相は農相と貿易相に関税と輸出停止のいずれかを導入する方向で検討するように伝えた。
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現在の石油価格は為替レートに連動、クウェート石油相代行
[エネルギー]
クウェートのアル・オレイム石油相代行は7日、訪問中のベトナムでダウジョーンズのインタビューに答え、現在の石油価格は需給バランスではなくドルの価値に連動して動いているとの認識を示した。ファンダメンタルズはここまで変わっておらず、相場は為替レートに大きく影響されているという。OPECが減産を計画しているのか、それとも在庫積み増しを図っているのかとの問いについては、我々は市場を注視しており、現在もなお分析の最中だと答えるにとどめた。
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