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2008年04月02日(水)

FRB議長、初めてリセッションに言及・上下両院合同委証言
  [要人発言]

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は2日に上下両院合同経済委員会で景気見通しについて証言し、景気後退(リセッション)の可能性を示唆した。バーナンキ議長はこれまで景気減速を何度も繰り返してきたが、リセッションに言及したのは初めて。今年前半の米実質国内総生産がほとんど伸びず、僅かにマイナス成長もあり得ると述べた。

バーナンキ議長は1月に入って景気見通しがさらに弱含んでいるとして、金融市場の普請による影響を指摘した。昨年秋からの積極的な利下げや各種資金供給をもっても金融市場が依然として不安定であることも認識。しかし、今年後半の景気回復の見方も維持した。また、インフレ懸念もあって目先はこれまでより緩やかなペースでの利下げを行う意向も示した。

景気刺激策についてはとりあえず今年初めに導入したもので十分との判断を見せた。5月から送付となる税金還付の小切手が景気回復に寄与すると発言。ただ、具体的に効果が表面化するタイミングは不透明とした。一方、一時的な増税による経済的なインパクトに懸念を表明する場面もあった。

バーナンキ議長は米景気が立ち直るのに海外経済が健全なことも欠かせないとの見方も示した。また、中国人民元の最近の上昇を効果的と評価した。

バーナンキ議長は失業率が今後数ヶ月間上昇を続けるとの具体的な見通しを示し、これは企業の採用削減を理由に挙げた。一方、住宅市場の底入れサインがみられるともコメント。2008年終わりから2009年にかけて上向くと見通した。議長は住宅市場が金融市場の回復にきわめて重要なカギを握るといい、このほか議会が既存の住宅ローン保有者救済だけでなく、住宅ローン市場全体を修復することで情勢改善に寄与するとも述べた。

議会証言では、JPモルガン・チェースによるベア・スターンズ買収にFRBが資金面で関与していることも取り上げられた。バーナンキ議長はベア・スターンズが資金難を明かした時から救済までの経緯を説明。ベア社から事前通告がなかったといい、不安定な情勢の中で証券大手ベア社が破綻となるとさらなる混乱を招くことを警戒して当局が救済に乗り出したと述べた。また、議会との質疑応答でベア社のケースは極めて異例であることを強調した。

Posted by 直   

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