2009年01月06日(火)
FOMC、景気下振れリスク極めて高いと判断・議事録
[経済指標]
米連邦準備理事会(FRB)が6日に発表した2008年12月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、景気の下振れリスクが極めて高いとの判断から大幅利下げに踏み切っていた。FRBスタッフは会合用に作成した2009年の景気見通しを大きく引き下げ。メンバーの中にも景気不振が長引くことを懸念する向きもあったという。
議事録では、秋から景気悪化が進んだとの見方で全会一致したことを記している。信用収縮が続いていることや株安、住宅市場の不振などが要因に取り上げられ、FOMCメンバーの大勢が2008年10-12月期から2009年はじめにかけて経済活動がさらに落ち込むのを見通した。
また、ほとんどのメンバーは低金利政策と景気刺激策による2009年後半の緩やかな回復観測を維持しながら、先行き不透明感が強すぎることも認識したという。このため、少数のメンバーは金融市場の不振や世界経済全般が弱含んでいるのを長期的な景気後退のサインとまで危惧していた模様。
インフレについては、エネルギーなど商品相場の下落、経済活動の縮小で上昇圧力が後退し、また目先も一段と落ち着くとの見方だった。ただ、どこまでインフレ上昇の一服が続くかになると見方がばらついたようだ。議事録は適正水準でとまるのを見越す向きがあった一方で、メンバーの中にはデフレ警戒もあったことを明らかにしている。
FOMCはこの会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を念0-0.25%と初めてレンジ設定することに決定した。歴史的な低金利による効果でもメンバーの見解はほぼ一致していたようだが、ゼロ金利政策を取り入れることで特定金融市場や金融機関にはマイナス影響を及ぼしかねないとの懸念があったことも議事録が示している。金利水準を示すこと自体を見送るとの提案もあったものの、混乱を招くリスクも取り上げられ、このためレンジを設けることに決まったとしている。
このほか、事実上のゼロ金利政策となることに伴い、FOMCは景気てこ入れで新たな政策方針が必要になると判断したという。議事録によると、討議に挙がった一つが量的金融緩和であり、また、すでに決定済みの金融商品購入プログラム拡大などの提案もあった。メンバーには正式に導入することを支持するむきもありながら、最終的には検討するとの声明にとどめることで決定したという。
Posted by 直