2009年12月22日(火)
7-9月期GDP確定値は前期比2.24%増に引き下げ、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した7-9月期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比2.24%増となった。一段の下方修正である。伸び率は速報で3.53%だったのからまず2.78%に縮小し、2次改定によりさらに縮んだ。市場予想も下回る。それでも、昨年7-9月期から今年4-6月期まで4四半期続いたマイナス成長からプラス転換。また、2007年7-9月期以来、ちょうど2年ぶりの高い伸びにも変わらない。
個人消費が2.80%増加した。従来推定の2.95%を下回る伸びで、速報で3.35%増だったのから2段階の下方改定の格好である。背景にあるのが非耐久財の消費で、当初見越していたよりも小さい1.51%増だった。速報や改定値では前期比プラスだったエネルギー製品が1.76%減になり、衣料品の支出伸び率は従来推定の0.73%から 0.24%に縮小。ただし、耐久財伸び率は43.61%と改定値より若干高い伸びとなった。サービス消費の増加率は改定値0.98%に対して0.78%で確定。
設備投資が5.89%減少した。改定値の4.13%よりマイナス幅が拡大し、また速報の2.52%と比べても大きな落ち込みである。これは建造物への投資が18.38%と従来推定を上回る減少となり、一方、機器・ソフトウエアが増加でありながらも伸び率は1.51%に下方修正となったのが背景にある。
住宅投資もまた改定値で19.52%増だったのから18.86%増と僅かに低い伸びに改定となった。速報段階における23.28%増と比べても小幅になる。それでも7-9月期の住宅投資は2005年10-12月期以来のプラス転換で、また伸び率は2003年7-9月期以来の高水準だ。
在庫投資の減少幅は1392億ドルだった。2回目の下方修正で、この結果GDPへの寄与度も速報値の0.94ポイントからまず0.87ポイント、さらには0.69ポイントに小さくなって確定だ。
政府支出は2.66%増えた。改定値の3.09%より小さい増加だが、速報段階での2.32%以上ではある。連邦政府のプラス幅が8.30%から7.97%に下方修正。地方政府は0.64%減で、こちらは改定値0.15%より大きなマイナスだ。
貿易収支では赤字幅が3580億ドルから3574億ドルに僅かな下方修正となった。GDPを0.81ポイント削減と、従来推定0.83ポイントより若干ダウン。それでも、2004年4-6月期以来の大きなマイナス度である。輸出が前期比17.79%、輸入が21.26%それぞれ増加し、いずれも上方修正となった。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が前期比2.58%、エネルギーと食品を除いたコア指数が1.16%それぞれ上昇した。いずれも、改定値の伸び率2.73%、1.31%より低め。前年同期と比較すると、全体指数が0.66%低下から0.69%低下に改定となった。コア指数は1.28% 高く、これも従来推定の1.31%より低い伸びである。
Posted by 直