2006年12月21日(木)
インフレ沈静はまだ具現化していない、リッチモンド連銀総裁
[要人発言]
リッチモンド連銀のラッカー総裁は21日ノースカロライナ州シャーロットの商工会議所で講演、インフレの沈静はまだ具現化していないと目先の物価上昇に改めて懸念を表明した。
米経済については、07年度前半にかけて住宅市場の落ち込みが個人消費や設備投資の伸びを相殺するものの、リセッションにつながるには至らず、GDPは年率で2.50%-2.75%成長するとの見通しを示した。雇用も建設関連の落ち込みの影響は最小限にとどまり、引き続き堅調に推移するとしている。景気のリスク要因としては、住宅市場の更なる落ち込みと、エネルギー価格の高騰を指摘。住宅の更なる落ち込みは現時点でそうした兆候は見られないとしながらも、懸念を完全に払拭できないとした。
インフレについては、PCEコアが2004年前半から2%以上で推移し最近は2.5%まで上昇していることを指摘、この一年間の数字には失望したとした。コアインフレが2%以上の状態が長く続けば続くほど、インフレが高い水準で固定されてしまう危険性が高まるとした。インフレがこの先沈静化するとの予測が多く出ており、実際になれば本当に望ましいことだが、そうした兆候はまだ実際に表れていないと、改めてインフレへの懸念を表明している。
ラッカー総裁は8月のFOMCからただひとり利上げ継続を主張、4回連続で金利据え置きの決定に対し反対票を投じている。
Posted by 松