2006年12月11日(月)
ドルは今後数年で弱含む、グリーンスパン
[要人発言]
グリーンスパン前FRB議長は11日、ビジネス会議でスピーチを行い、ドルは国際収支の不均衡の問題が解決するまで、今後数年の単位で弱含むとの見通しを示した。OPEC加盟国がドル資産をユーロと円に分散している事実があることを例に上げ、資産を一つの通貨だけで持つことは分別のない行動と、投資家に対し警鐘を鳴らした。
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07年度の利上げ方針は決まっていない、ベルギー中銀総裁
[要人発言]
ECB理事を務めるクァデン・ベルギー中銀総裁は11日、ECBはまだ07年度の金融政策を決定していないと、隔月で利上げを行うとの市場の見方に否定的な見方を示した。利上げが欧州の経済成長を阻害しているとの意見が多く聞かれたが、我々は経済成長を影響が出ないようにインフレを抑制するという、すべきことを行ってきただけだとし。今では皆が我々が正しかったことを認めていると、ECBのこれまでの政策に自信を示した。
最近のユーロ/ドルの上昇に関しては、望ましいことではないとしながらも、パニックに陥る理由はないと発言。我々は未知の領域に踏み込んだわけではなく、現在のユーロ高水準は既に経験済みだと、特に問題視していない様子を見せた。また欧州は世界的な貿易不均衡の問題に対する責任はないと、問題が欧州以外の地域にあると強調した。
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OPEC減産で多くのリスクに直面、IEA議長
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)のマンディル議長は11日、ダウジョーンズ社のインタビューに答え、この先暖房需要がピークに向かう中OPECが追加減産を強行すれば、短期的に多くのリスクに直面すると警戒感をあらわにした。在庫は言われているほど高い水準にはなく、需要は予想以上に伸びる恐れもあるという。また製油所の定期点検が進んでいることも在庫に影響を与えていると指摘、市場は現在供給過剰状態にあるとは思わないと、14日の臨時総会で追加減産に傾くOPECを牽制する発言を繰り返した
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OPECは総会で50万バレルの減産を検討、クウェート石油相
[エネルギー]
クウェート国営通信社によると、アルサバー石油相は11日、OPECは14日に開かれる臨時総会で日量50万バレルの追加減産を検討しているとの見通しを明らかにした。加盟国は指標となる原油価格を1バレル60ドル以上に維持することを目標に置いているという。
・・・クウェート石油相はどちらかといえば減産に消極的、先週まで現在の価格水準では減産の必要はないとしていた。ここへ来て意見を翻したのは、サウジあたりからの突き上げがあったのか、それとも他に理由があるのか。指標とされる価格というのは恐らくWTIだろう。アルサバー石油相は従来から価格水準を気にする発言をしており、このあたりも絶対的な需給バランスをもとに発言するサウジのヌアイミ石油相などとは異なっている。
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総会では消費国への影響も考慮、OPEC事務総長
[エネルギー]
OPECのバーキンド事務総長は11日、通信社の取材に答え、14日にナイジェリアで開かれる臨時総会で追加減産が決定されるとの見通しを述べるにはまだ早すぎると、慎重な見方を示した。総会までの数日間でデータを検証、その上で判断するという。我々が注視している在庫水準は依然として非常に高いが、(価格上昇に対する)消費国への影響も考慮するという。
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サウジアラムコ、1月のアジア向け供給を前月から引き下げ
[エネルギー]
サウジ国営石油会社サウジアラムコ幹部が11日に明らかにしたところによると、同社はアジアの顧客に対し1月の石油供給を減らす旨を通知したという。通知を受けたのは少なくとも日本で3社、台湾で1社あり、それぞれ当初の契約量から8-9%供給を減らすという。12月の供給量は3-4%の減少にとどまっていた。
・・・サウジは世界市場の供給過剰に対しかなり強い警戒感を示しており、少なくとも1億バレルは供給を減らす必要があると主張している。OPECで仮に追加減産が決定されなくとも、サウジが単独で生産量を減らす可能性もありそうだ。
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2006年12月08日(金)
ブラジルコーヒー生産は3,000万袋に届かない、生産団体幹部
[コーヒー]
生産者協同組合で構成されるブラジルコーヒー評議会(CNC)議長は8日、ベトナムで開かれている会議の席でインタビューに答え、07/08年度の生産が3,000万袋を超えるのは難しいとの見方を示した。ロブスタ種の生産は安定しているが、アラビカ種の生産は前年比で40%以上減少し、2,000万袋を下回るだろうと述べた。CNCの06/07年度生産推定は4,400万袋。
ブラジルでは9月から10月にかけて気候が不安定だったことから、開花が不調に終わったとの見方が強い上、生産サイクルの裏作にあたることから次年度の生産はかなり落ち込むとの見方が強い。政府の第一回公式推定は15日に発表される予定となっている。
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欧州のインフレリスクは残る、フィンランド中銀総裁
[要人発言]
ECB理事を務めるリーカネン・フィンランド中銀総裁は8日、石油価格の下落にも関わらず、欧州圏のインフレが加速するリスクは残るとの見方を示した。原油価格が再び上昇に転じる可能性がある上、景気が良好なのを受けた賃金の上昇圧力が強まるとした。全ての指標が、現在市場には十分な流動性があり金融生産は依然として緩和的であることを示していると、目先の追加利上げに含みを持たせた。
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OPEC減産見通しにばらつき
[エネルギー]
このところの原油価格上昇を受け、来週14日にナイジェリアで開かれるOPEC臨時総会における減産について、異なった意見が出てきている。
ダウコル議長は8日、通信社のインタビューに答え、63ドルという水準はまだ低すぎるし、供給過剰の状況にも満足していないと、追加減産に強い意欲を示した。
一方、OPEC高官の話として、現在の価格水準では特に何もする必要はなく、総会までに60ドルを再び割り込むような展開にならない限り、減産の可能性は低いとの見方も伝えられた。8日付のWSJでも、価格から見てPECが生産を据え置く可能性が高いとの見方が紹介されている。
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ブラジルのコーヒー政府在庫は過去最低水準、農業省
[コーヒー]
ブラジル農業省の発表によると、11月末時点で国内の政府在庫は202万3,936袋と前年同期の450万袋から大きく減少。過去最低水準にあるという。また2006年度の国内コーヒー消費は1,650万袋と前年から100万袋増加するという。国際的な需要の増加で輸出も急増しており、国内在庫が最低水準に落ち込むのも当然の結果といえそうだ。
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要求が受け入れられなければ更なる攻撃も、ナイジェリア武装勢力
[エネルギー]
ナイジェリアの武装勢力、ニジェールデルタ解放運動(MEND)は8日、通信社への電子メールを通じで前日に伊石油大手Eni子会社の職員を誘拐したことを認め、長期的な要求が受け入れられない場合は更なる攻撃を仕掛ける意思があることを明らかにした。
MENDは南部油田地帯に住むイジョーのリーダーで、昨年9月に国家侮辱罪などで逮捕されたアサリ氏の釈放を1年以上にわたって要求しているほか、ロイヤルダッチシェルに対し、地元の環境汚染への補償を求めている。
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11月非農業雇用数は13.4万人増、予想上回る
[経済指標]
サービス業の雇用の伸びが製造業の減少を大きく上回りました。
06年11月 | 前月比 | 06年10月 | 市場予想 | ||
失業率 | ↑ 4.47% | ↑ 0.06 | ↑ 4.42% | ↑ 4.5% | |
労働力人口 | 152381 | ↑ 383 | 151998 | ||
>就業者 | 145564 | ↑ 277 | 145287 | ||
06年11月 | 前月比 | 06年10月 | 市場予想 | ||
非農業雇用数 | 136018.0 | ↑ 132.0 | ↑ 134.0 | ↑ 105.0 | |
週平均労働時間 | 33.9 | →0.0 | 33.9 | 33.9 | |
時間あたり賃金 | $16.94 | ↑ 0.18% | ↑ 0.36% | ↑ 0.3% | |
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原油1バレル60ドルは適正水準、サウジ王子
[エネルギー]
駐米大使を務めるサウジのアルファイサル王子は7日、プリンストン大で講演を行い、現在の1バレル60ドルという原油価格は適正で受け入れられる水準だとの見解を示した。最近のドル急落には強い懸念を示し、(原油価格は)輸出国にとっては実質的に60ドルを下回るものとなっているとした。また、インフレを考慮すれば、価格は150ドルになっているだろうと、60ドルという価格水準が決して高くないことを強調、消費国、生産国双方にとって公正な価格であるとした。一方、これ以上上昇すると、貧しい国々への影響が大きく出るとの懸念も示している。
また、価格が急騰する前には大きく値下がりしていたことを指摘。ここ3年で価格が倍になったことを懸念する割には、90年代終わりに10ドルにまで落ち込んだ際、石油収入減少に苦しむサウジを心配する声はまったく聞かれなかったとも語った。
Posted by 松
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