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2007年02月08日(木)

ECB、政策金利を3.5%に据え置き
  [金融・経済]

欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた理事会で、政策金利を年3.5%に据え置く決定をした。トリシエ総裁は会見で、中期的な物価安定がまだ具現化されていないリスクが残るとインフレへの警戒感をあらわにした。また前回使用しなかった “vigilance” (警戒) という言葉を再び使用、3月の追加利上げを示唆した。

経済に関しては、2007年度も広範囲にわたって堅調に成長、中期的な状況は良好と将来の景気見通しに自信を示した。雇用増など労働市場の回復に伴い可処分所得が増加することにより、個人消費はこの先も穏やかに伸びていくとした。短期的なリスクとしては原油価格の上昇と国際収支の不均衡の拡大を挙げている。


物価に関しては、付加価値税増税の影響は1月の物価には完全に織り込まれていないと指摘。最近の原油価格の動向から見て春から夏にかけてはインフレがやや落ち着く可能性はあるが、07年後半には再び上昇するとの見通しを示している。中長期的には価格上昇のリスクが残ると分析。過去の原油価格上昇が引き続き消費者物価に影響を与えるとした上、原油価格が再上昇する可能性は否定できないとした。また、予想以上のペースで賃金が上昇していることが物価上昇の大きなリスクになるとした。

また、マネーと信用が非常に力強いペースで伸びているのは、金融政策が依然として緩和的であることを示しているとも述べている。


・・・会見後の質疑応答では、我々は中長期的な見通しに基づいて金融政策を決定しており、2007年度のインフレについての分析はほとんど終わっていると、この先もインフレに対する見方がブレないことを示唆した。また、3月の利上げについては明言を避けたが、会見の冒頭でこれまで利上げのサインとされてきた“vigilance”を使用したことを強調し、声明に全て表れていると利上げを強く示唆している。また、この言葉を冒頭で使用することは全会一致の決定だったことを認めた。

最近の円安について欧州から警戒感が強まっていることについては、そういう圧力を感じたことはないと答えるにとどめている。市場のボラティリティーが低下していることがキャリートレードを加速させている面があるとの認識を示す一方、最近のマネー(M3)の伸びとキャリートレードが結びついていると結論付けることは出来ないとしている。

Posted by 松   

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