2007年02月26日(月)
米経済は07年後半にリセッションに陥る、前FRB議長
[要人発言]
グリーンスパン前FRB議長は26日、香港で開かれた会議に衛星中継を通じて講演を行い、米国の赤字問題は依然として大きな懸念であり、米経済は2007年度後半にリセッションに陥るとの見方を示した。ダウジョーンズ社が伝えた。
米経済は2001年以降拡大を続けているが、好景気のサイクルが終了する兆候が見え始めているという。もっとも、景気後退が始まる時期を予測するのは難しいとも述べている。リセッションに向けての動きは実際に始まるかなり前から見られるもので、例えば企業の利益マージンが伸び悩んでいるのはその兆候の一つだとした。こうした遠い将来についての予測は当てにならないものだとしながらも、(07年後半にリセッションに入る)可能性は否定できないと述べている。一方、今のところ米住宅市場の落ち込みが他の分野に波及する兆候はないと分析、世界市場は良い方向で安定しているとした。
また、金融資産のリスクプレミアムが極端に低下していることを指摘、このことが将来大きな問題を引き起こす可能性があると警鐘を鳴らした。以前のようにリスクが大きな損失をもたらすものとして認識されなくなっており、敢えてそれに逆らう必要があるとし、現在いくらリスクがないように見えても、歴史を振り返れば大きな懸念を抱かざるを得ないと述べた。
Posted by 松