2009年11月18日(水)
10月の消費者物価指数0.28%上昇、予想より高め
[経済指標]
米労働省が発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.28%上昇した。9月の0.17%を上回る伸びとなり、市場予想と比べても高めだ。一方、変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数が0.18%上昇し、こちらは前月より若干ペース加速。また市場が見通していた以上のプラス幅でもある。
エネルギーが 1.46%上がった。3ヶ月連続プラスで、また10月は前月の2倍を超える伸びである。ガソリンが1.59%、ガス・電力は0.92%それぞれ高く、いずれもまた前月以上の値上がり。食品・飲料は0.07%上昇に転じ、乳製品の約1%上昇が背景にある。砂糖・甘味料やアルコールがより限定的な値上がり。一方、野菜・果物、肉・魚・卵が下がった。
コア部分では新車価格が1.62%上昇し、これは1981年5月以来の高い伸びである。中古車もまた1980年初め以降みることのなかった大きな値上がり。アパレル0.35%、レクレーション0.38%とそれぞれも前月の2倍以上の伸びになる。航空運賃が1.71%高いが、これは前月の3%を超える上昇率に比べると伸び悩みだ。ホテル宿泊料金や医療、通信も上昇基調を続け、しかし前月を下回る伸びペースだった。
10月のCPI は前年同月と比べると0.23%下落した。8月に1.32%ダウンだったのから著しい下げ渋り。コアの前年比は1.70%上昇で、こちらは9月時点での伸び率を上回った。
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10月の新規住宅着工52.9万戸、予想下回る
[経済指標]
米商務省によると、10月の新規住宅着工件数は年率換算で52万9000戸だった。前月比10.64%減少に転じ、4月以来の低水準。市場予想も下回った。なお、9月の着工件数が速報の59万戸から59万2000戸に改定となり、一方、8月分は58万1000戸と従来推定58万7000戸より縮んだ。
全ての市場で前月から落ちた。着工件数の最もきつい減少が北東部の18.84%。しかも、5万6000戸と6ヶ月ぶりの低水準となった。次いで中西部の 10.58%減。5月以来で10万戸を割り込んだ。南部が9.63%のマイナス転落で、西部は8.47%減少により3月以来の低水準だ。前年比較だと全体で30.67%減少。市場は軒並み前年割れとなり、南部の33.17%減とほかの市場に比べて特にきつい落ち込みだった。住宅タイプ別にみると、一戸建てが前月比6.85%、5世帯以上の集合住宅は33.33%それぞれ減った。前年比だと一戸建てが10.86%のマイナス。集合住宅は78.08%減少した。
先行指標となる建築許可件数は前月比4.00%減少し、55万2000戸だった。5月以来の水準に落ち、やはり市場が見越していたより低い。
市場別にはまちまちだった。南部と西部が5.82%,6.67%それぞれ減少。反面、北東部は横ばいで、中西部の建築許可が2.02%増えて10万戸台に持ち直した。しかし、前年比較になると各市場ダウンで、西部が29.11%と最も大きな減少。全体で24.28%落ちた。住宅タイプ別の建築許可は、一戸建てが前月比0.22%減。集合住宅にしても、5世帯以上が18.27%ダウンで、2-4世帯も1割強の減少。一戸建てと集合住宅ともに前年比マイナスでもあった。
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2009年11月17日(火)
10月鉱工業生産は前月比0.05%上昇、予想下回る
[経済指標]
米連邦準備理事会(FRB)が発表した10月の鉱工業生産指数は前月比0.05%上昇した。辛うじて4ヶ月連続アップ。伸び率は前月の0.64%より低く、市場予想も下回った。なお、9月の指数は速報の0.66%上昇から改定である。
10 月の製造業生産指数が0.10%下げ、4ヶ月ぶりのマイナス転落となった。耐久財が0.38%ダウン。大勢が前月比マイナスとなり、中でも下げが目立ったのが非金属鉱物や家具、自動車及び部品だった。上昇したのは一次金属と機械ぐらいである。非耐久財は0.16%上昇。こちらは3ヶ月続けて上がり、ただ前月より伸び悩んだ。紙、テキスタイルがそれぞれ1%を超える伸びとなったほか、飲食品・たばこ、化学も高いが、石油製品は約3%落ちた。アパレル、印刷関連も前月比マイナス。
鉱業は0.23%、4ヶ月ぶりに下がった。公益は1.60%上昇。天然ガス、電力ともに前月から上がった。
設備稼働率は70.65%である。1月以来の高水準となったが、市場予想には届かなかった。
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10月PPI0.29%上昇で予想下回る伸び、コアは予想以上の低下
[経済指標]
米労働省が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.29%上昇した。2ヶ月ぶりのプラス転換だが、伸び率は予想を下回る。変動の激しいエネルギーと食品除いたコア指数が前月から0.58%下がった。2ヶ月連続ダウンで、また下げ幅は前月から拡大。市場が予想していた以上の低下でもある。
エネルギーが1.59%上昇した。ガソリンが1.93%、暖房油は1.18%それぞれアップ。天然ガスも高く、エネルギー関連はほぼ軒並み9月の低下から反転した格好になる。食品は1.61%上昇した。野菜が24.2%と激しい値上がりとなり、果物や卵、魚介類、加工済み七面鳥、乳製品もそれぞれ大きく上がった。前月比プラスの製品が大勢の中、牛肉や油類、精米などは下げた。
コア部分では、消費財ならタイヤや宝飾品が2%を超える上昇となり、アパレル、靴も上がった。しかし、乗用車は0.53%下げ、3ヶ月ぶりのマイナス転落。資本財が0.70%、2ヶ月連続低下となり、主因は小型トラック。ちょうど3年ぶりに5%以上の落ち込みを記録した。建設機器や発電機、印刷機、通信機、コンピューターなどは限定的な値下がり。
中間財が0.34%上がった。3ヶ月連続アップで、また伸び率は前月の2倍。しかし、コアなら0.17%、5ヶ月ぶりに下げに転じた。原材料は5.42%上がり、昨年5月以来の大幅プラスだ。コアで0.55%上昇。7ヶ月続けて前月から上がったが、10月はこの間で最低の伸びである。
PPI は前年比較すると1.91%下落した。前年割れは11ヶ月連続。ただし、前月時点での4.72%ダウンより著しく下げ渋って、2月以来の小幅マイナスとなった。コアは0.71%上昇し、これは2003年11月以来最低の伸びになる。
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