2008年12月15日(月)
12月住宅市場指数、前月から過去最低水準で据え置き
[経済指標]
全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した12月の住宅市場指数(HMI)は前月と同じく9だった。これは1985年に調査が始まってから最低水準。指数は50を境に数が小さくなるだけ情勢に悲観的な業者が多いことを意味するが、これで2ヶ月連続して悲観派による完全支配に近い水準ということでもある。
一戸建て住宅販売の現状を示す指数がやはり先月に記録した過去最低の8のままで、見込み客の活況度を表す指数も2ヶ月連続して調査史上最も低い7となった。見通し指数は16。11月分が速報での19から18に改定となり、12月にさらに下がった格好になる。見通し指数も記録を塗り替えた。
NAHB のチーフエコノミストはこの一ヶ月間の市場で改善ゼロと述べ、また雇用など特定要素の更なる悪化も認識した。NAHB会長は、危機が続いているとコメント。建設業者は販促などでできる限り行っているが、消費者サイドが依然として住宅購入に消極的という。しかも、差し押さえ物件などが後を絶たず、より需給がだぶつくとの見解も示した。同氏はチーフエコノミストは、景気への悪影響拡大をとめるためにも政府や議会は住宅購入者への支援や差し押さえ対策などを打ち出すべきだとも述べた。
Posted by 直
ブラジルCONAB、08/09年度砂糖きび収穫推定引き上げ
[砂糖]
ブラジル農務省商品供給公社(CONAB)は15日、2008/09年度の国内砂糖きび収穫が前年比13.9%増の5億 7137万700トンになると見越していることを発表した。過去最高を更新する見方で、また9月時点での5億 5871万7700トンから引き上げた。4月に明かした初回予想レンジ5億5812万2000-5億7978万6000トンの上限に近い。
砂糖生産用を2億4089万4700トンから2億4603万7100トン、エタノール生産に当てられる分は3億1782万3000トンから3億2533万3500トンにそれぞれ上方修正した。砂糖用が前年比6.7%増、エタノール用20.1%増加の見方となる。
砂糖生産は前年比2.6%増の3208万5300トンと見込んでいる。エタノール生産は前年度から15.6%増えて266億629万7300リットルとみている。このうちガソリンに混合される無水エタノールは101億2591万300リットル、ガソリンの代替になる含水エタノールは164億8038万 7000万リットルとした。
Posted by 直
減産は向こう3ヶ月-12ヶ月の長期に渡る、OPEC議長
[エネルギー]
OPEC議長を務めるアルジェリアのヘリル石油相は15日、総会が開かれるオラーンで会見を開き、OPECは現在400 万バレルと推定される供給過剰を解消するため、向こう3ヶ月から12ヶ月の長期に渡り生産量を引き下げる決定をする必要があるとの見方を示した。2008 年度の世界石油需要は前年比で20面バレル減少、2009年度は景気後退が更に深刻となり需要は更に50万バレルは減少するという。2009年前半に限っていえば140万バレル需要が落ち込む恐れがあるとし、OPECは3月の定例総会前に再び総会を開く可能性があることも示唆した。
Posted by 直
2009年のインド小麦生産、過去最高更新の可能性・著名農学者
[穀物・大豆]
世界的に有名なインドの農学者スワミナサン氏は15日の米通信社ダウ・ジョーンズとのインタビューで、2009年のインド小麦生産が過去最高となる8000万トンに増える可能性を示した。価格上昇で作付が増えているのを理由に挙げている。また、このまま天気に恵まれ、イールドが上がれば記録塗り変えは必死との見方だ。このほか、政府の介入価格が肥料の消費増加など管理の面でもイールドアップに寄与するかもしれないという。
同氏は、在庫を抱えたトレーダーの輸出解禁要請には反対姿勢にあることを明かした。過去に在庫取り崩しを狙って輸出を進めた他ために国内供給が落ちた経験があり、繰り返すことはないとコメント。輸出よりも国内の低所得層に向けた供給引き上げに焦点を当てるべきだといい、また輸出を承認してもトレーダーに有益なだけで、農家には無益とも述べた。
Posted by 直
NY連銀指数はマイナス25.76、予想以下の悪化にとどまる
[経済指標]
ニューヨーク連邦準備銀行が発表した12月の製造業景況感指数はマイナス25.76だった。前月のマイナス25.43から4ヶ月続けて下がり、これで3ヶ月連続の過去最低更新。2001年7月の調査開始から景気に最も悲観的になったことを意味する。しかし、指数は市場が予想していたほど悪化しなかった。
項目別みると、軒並み落ち込み基調を続けているが、前月の調査に比べてペースが鈍化したものもある。雇用が前月のマイナス28.92より高めのマイナス 23.40、新規受注はマイナス22.21からマイナス20.78に上がった。出荷はマイナス8.78.で、前月のマイナス13.89を上回る。在庫は前回報告でのマイナス26.51に対してマイナス17.02。一方、受注残がマイナス27.66と、史上最低を記録した。納期は前月のマイナス4.82からマイナス9.57にダウン。
物価については、生産コストを示す支払い指数がマイナス7.45となった。ゼロを下回ったのは2003年6月以来だが、水準的には2001年12月までさかのぼる低さ。販売価格を表す受取り指数はマイナス11.70だった。2005年8月以来のマイナス転換で、 2003年7月以来の低水準である。
6ヶ月先の期待指数が19.48となり、前月の13.02から上昇した。前月を上回ったのは3ヶ月ぶり。出荷が16.75から25.03に上がった。雇用数はマイナス1.56と、前月のマイナス4.17よりやや高い。受注残も1.13から5.34にアップで、4ヶ月ぶりの高水準だ。
半面、新規受注は前月に19.25だったのから17.74に下がった。1月につけた年初来最低に次いで今年 2番目に低い。設備投資がマイナス10.64で、前月調査で記録した過去最低からほぼ変わらず。テクノロジー投資になるとマイナス12.77に落ちて記録塗り替えだ。納期は前月に3月以来でゼロを超えて1.20となったのが、マイナス7.45に転落である。在庫はマイナス11.70と、前月のマイナス 6.02から縮小が進むのをみている格好になった。
物価見通しについては、支払いと受け取り揃って3.19となった。支払い指数は2002年1月以来の低水準で、受取りが2003年9月にプラス圏での推移を始めてからこの間最も低い。
Posted by 直
非OPEC諸国も相当量の減産を決定する、OPEC事務総長
[エネルギー]
OPECのエル・バドリ事務総長は15日、OPEC総会が開かれるアルジェリアのオラーン到着の際に記者団の質問に答え、総会では追加減産が決定されるほか、非OPEC産油国も減産を行うとの見通しを示した。具体的な量については知らされていないが、非OPECの減産もかなりの量になるという。
Posted by 直
2008年12月12日(金)
インフォーマ、2009年の米大豆作付見通し引き上げ
[穀物・大豆]
米有力アナリストのインフォーマ・エコノミクスが2009年の米大豆作付について8146万エーカーと見通していると伝えられている。11月時点で見越していた7720万エーカーから引き上げたことになる。米農務省(USDA)が推定している2008年の7588万エーカーから7.4%増加の見方だ。
報道によると、インフォーマはコーン作付を8229万エーカーになると見通している。大豆とは対照的に 11月時点での予測8680万エーカーから下方修正し、USDAの2008年推定8589万エーカーより減反をみている格好だ。過去3ヶ月間の価格変動に基づいての改定といい、コーンが大豆以上に値下がりしたことを指摘している。また、融資が限られていることや作物間での乗り換えなども反映しているという。
一方、冬小麦は4408万エーカーの見方である。USDAで推定する2008年の4618万エーカーから減反をみている。
Posted by 直
10月の全米自動車走行距離は前年比で3.5%減少、運輸省
[エネルギー]
米運輸省の連邦ハイウェイ管理局(FHA)が12日に発表した交通量データによると、全米の10月自動車走行距離は 2,497億マイルと前年同月に比べ3.5%、90億マイル減少した。2008年の累計でも2兆4,257億マイルとやはり前年同期に比べ3.5%減少している。10月の走行距離を地域別に見ると、南東部が前年比5.0%減の525億マイルともっとも落ち込みが激しく、中西部が3.5%減の562億マイル、西部が3.1%減の542億マイル、南部メキシコ湾岸が3.1%減の486億マイル、北東部が2.3%減の383マイルとなっている。
Posted by 直
中国、輸送コスト低下利用してブラジル産砂糖買い付け・関係者
[砂糖]
中国がこの1-2ヶ月間にブラジル産砂糖を買い付けていたとの関係者コメントが報じられている。中国がブラジル産を購入するのは珍しく、これは輸送コストが落ちていることに着目した結果という。同氏によると、中国2社が20万トンから30万トンを1トン250-260ドルで契約を結んだ。ただ国産が出回り始めて輸入品との価格差拡大も止まり、さらなる買い付けはないともみられている。
Posted by 直
11月小売売上高は前月比1.76%減、予想以下の落ち込みにとどまる
[経済指標]
米商務省によると、11月の小売売上高は前月比1.76%減少した。調査史上初めてとなる5ヶ月連続ダウン。ただし、前月の2.95%減よりスローダウンし、また市場予想ほどの落ち込みにもならなかった。なお、10月の減少率は速報段階での 2.77%から改定である。
11 月の項目別売上高で最もきつい減少がガソリンの14.69%だった。10月も2けたのマイナスだったが、11月は一段と大きくダウン。このため、ガソリンを除いた小売売上高は前月から0.23%減にとどまる。次いで大きな減少となったのが自動車及び自動車部品の売上高。2.77%減り、582億3500万ドルと1999年9月以来の低水準を記録した。ただ、減少率は10月から縮小し、自動車関連を除いた売上高も1.56%減少と市場予想より小幅マイナス。さらに、自動車とガソリンを除いて11月の小売売上高は0.34%増加になる。
ガソリンや自動車関連とともに振るわなかったのは通信販売などのむ店舗販売と建設資材・造園だった。いずれも約1%のマイナス。一方で、電気機器やスポーツ・趣味・音楽、デパートが揃って2%以上増加した。それぞれ前月の減少以上の前月比プラスでもある。総合小売店や衣料品もプラス転換し、健康関連が前月より伸びペースが加速した。
Posted by 直
11月生産者物価指数は前月から2.21%下落、予想以上のマイナス
[経済指標]
米労働省が発表した11月の生産者物価指数(PPI)は前月比2.21%下落した。4ヶ月連続の前月比マイナスとなり、市場予想以上の下げ。背景にあるのがエネルギー価格である。11.20%と前月に続く2けたのマイナスだ。ガソリンが25.73%下がり、2ヶ月連続で調査史上最もきつい落ち込みである。暖房油は23.35%とやはり前月以上の値下がり。天然ガスも住居用、工業用揃って落ちた。
エネルギーとともに変動の激しい食品は前月比横ばいだった。鶏卵が2割近く下がり、精米や豚肉などの値下がりも目立つ。一方で、野菜や果物、牛肉、菓子類が上昇した。
エネルギー、食品を除いたコア指数は0.12%上昇した。3月以来の低い伸びであり、市場の予想範囲内に収まる。消費財のコア部分では、乗用車が2ヶ月連続下がった。しかし、0.62%と前月より下げ渋っている。化粧品、定期刊行物が前月から変らず、反面、書籍出版や衛生紙がプラス転換。家電は前月並みの上昇ペースだった。資本財が0.06%上昇し、著しく伸び悩んだ。小型トラックの3ヶ月ぶり前月割れ、鉄道関連も大きく落ちた。中間財と原材料のコアも再び記録を塗り替える落ち込みだった。しかし、建設機器は1%強高く、前月の2倍以上の伸びとなっている。
PPIは前年比較すると0.17%上昇した2006年11月からの前年比プラスを維持しているが、11月の伸び率はこの間で最低。コアの前年比は4.17%のプラスだった。10月に1989年11月以来の高い伸びとなったのから上昇一服である。
Posted by 直
【 過去の記事へ 】