2008年12月11日(木)
USDA世界需給:コーンと小麦生産は引き上げ、大豆は引き下げ
[穀物・大豆]
米農務省が11日に発表した需給報告によると、08/09年度の世界小麦需給は生産が6億8,398万トンと前月から161万トン引き上げられた。乾燥気候によって作付の遅れが目立つアルゼンチンが50万トン引き下げられたものの、カナダが131万トンをはじめ、欧州、ブラジル、セルビアの生産が引き上げられた。消費は前月から52万トンの引き下げ、輸出は米国外の輸出国で60万トン引き下げられた。期末在庫は210万トン上方修正された。
コーン世界需給は生産が7億8,590万トンと前月から454万トンの引き上げ。中国の生産見通しが400万トン引き上げられたのを筆頭に、欧州やウクライナ、カナダの生産も上方修正された。一方ブラジルの生産は150万トン、南アフリカ共和国も100万トン引き下げられた。消費は米国を中心に784万トンの引き下げ。輸出は米国外の輸出が増えたものの米国の落ち込みが大きく、194万トンの下方修正となった。期末在庫は1,371万トン引き上げられた。
大豆の世界需給は生産が2億3,465万トンと前月から109万トンの引き下げ。ブラジルの生産見通しが100万トン引き下げられたのが主な要因となっている。消費は前月から139万トンの引き下げ、輸出は米国で伸びたものの、米国外の落ち込みがそれを上回り79万トンの引き下げとなった。期末在庫は13万トンと小幅上方修正された。
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USDA需給報告:コーン期末在庫は大幅引き上げ、大豆は据え置き
[穀物・大豆]
米農務省が11日に発表した需給報告によると、08/09年度の米国内小麦需給は、期末在庫が6億2,300万ブッシェルと前月から2,000万ブッシェル引き上げられた。輸入が1,000万ブッシェル引き上げられた一方、食用需要が1,000万ブッシェルの引き下げとなった。
米国内コーン需給はエタノールの需要が前月から3億ブッシェルの引き下げ、輸出も1億ブッシェル引き下げられた。飼料および残余の需要は5,000万ブッシェル引き上げられたものの、需要全体では3億5,000万ブッシェルの大幅引き下げ、期末在庫はこの分引き上げられ14億7,400万ブッシェルとなり、在庫率も 12.10%まで回復した。エタノール需要の大幅引き下げは、金融危機の影響を受けて新規エタノール工場の生産開始が遅れ、既存の工場もが生産の縮小を余儀なくされたことが背景にある。なお、来年1月に08/09年度生産の最終見通しが発表されることから、通常12月の需給報告では生産面に修正が加えられることはない。
米国内大豆需給は国内圧搾需要が3,000万ブッシェル引き下げられる一方、輸出が同じく3,000万ブッシェルの引き上げられたため、期末在庫は2億500万ブッシェルと前月から据え置きとなった。国内需要の低下を、中国の旺盛な買付けが補った格好となった。
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10月貿易収支は571.9億ドルの赤字に拡大、予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した10月の貿易収支は571億9000万ドルの赤字となった。前月から1.12%、3ヶ月ぶりの増加。市場予想も上回った。なお、9月の赤字幅は速報で564億7000万だったのから565億5900万ドルに改定。貿易赤字は年初から10月まであわせて前年同期を1.39%上回る5909 億1700万ドルだ。
10月は再び輸出と輸入揃って前月比マイナスである。輸入が1.29%減で、このうちモノが1.55%ダウン。いずれも3ヶ月連続して前月を下回るが、9月に比べると減少ペースは鈍化した。消費財が1.16%、飲食品・飼料1.07%とそれぞれプラス転換。工業品は減少だが、0.16%と前月に1割以上落ち込んだのから著しくスローダウンである。背景にあるのが原油輸入。季節調整前で9.48%増加した。単位価格が 92.02ドルと6ヶ月ぶりに100ドルを割り込み、3月以来の低水準となったが、買い付け規模が前月から23.87%増えて日量1045万8000バレルだった。
原油は季節調整後でも増えたが、石油製品は減少した。ガスや燃料油なども前月割れ。一方、有機化学やアルミなどは増加だった。資本財が3.73%減少に転じ、自動車関連は4.99%と3ヶ月連続落ちた。サービス輸入は0.03%増加した。9月にちょうど半年ぶりの前月比マイナスとなったものの、減少は早々に止まった格好である。
輸出は前月から2.17%減り、モノが2.80%ダウン。輸入と同じく、いずれも前月を下回る前月比マイナス。ただ、輸入以上の減少で、赤字拡大に至った。モノについては全ての項目が前月割れとなった。このうち自動車関連が2.28%と前月以上のマイナスである。工業品4.28%、飲食品・飼料8.60%と自動車以上のマイナスだが、前月からはペースが鈍い。資本財では0.30%減にとどまり、消費財も1.16%ダウンでやはり前月を下回る減少。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比10.35%増の463億5900万ドルだった。石油関連が20.84%のプラスが背景にある。非石油は1.24%減少した。
国別で赤字最大の対中国が279億5700万ドルとなり、前月の277億6600万ドルから一段と膨らんだ。対日は60億4700万ドルに拡大し、またカナダとのギャップが59億5700万ドルに縮小したことから中国に次ぐ2位に上がった。対メキシコも前月から縮小した。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は約5%アップ。ただ、加盟国別ではナイジェリアやサウジアラビアとのギャップが広がる反面、ベネズエラに対する赤字縮小などまちまちである。
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失業保険申請件数は前週から5.8万件増加、予想大きく上回る
[経済指標]
米労働省が発表した12月6日までの週の失業保険新規申請件数は前週から5万8000件増えて57万3000件となった。1982年11月27日までの週以来の高水準で、市場予想も上回っている。また、前週の申請件数が速報で50万9000件だったのから51万3000件、11月22日までの週の分は従来推定53万件から53万1000件にそれぞれ改定。
雇用情勢をより良く映すといわれる4週平均は54万500件だった。前週の52万6250件(修正値)を上回り、こちらも1982年終わり以来の高水準を更新と伝わっている。
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世界石油需要は25年ぶりに前年比マイナスに、IEA
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)は11日に発表した月報で、2008年度の世界石油需要見通しを35万バレル下方修正、 25年ぶりに前年比でマイナスになるとの見方を示した。供給面では、11月のOPEC生産が日量3,130万バレルと前月から76万バレル減少した。在庫は10月末時点で前月から4,560万バレル増加、消費の56.8日分をカバーしているという。
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2008年12月10日(水)
11月財政収支は1,644億ドルの赤字、予想は下回る
[経済指標]
米財務省によると、11月の財政収支は1643億9700万ドルの赤字だった。前年同月の982億3800万ドルから大きく膨らんだ。ただ、市場や議会予算局(CBO)が見越していたよりはやや少ない。11月の歳入が前年同月より約4%減って1447億8200万ドル。歳出は3091億7900万ドルで、一年前から2割強増えたが、CBOの推定を下回った。
10月に始まった2009会計年度の財政収支はこれで2か月分あわせて4015億7400万ドルの赤字である。前年同期の1550億7600万ドルの2.5倍を超えて、過去最高となった。
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ブラジル中部・南部砂糖きび収穫、事前見通し上回る可能性
[砂糖]
ブラジル砂糖コンサルティング会社データグロの幹部は10日に米通信社ダウ・ジョーンズとのインタビューで、中部・南部における2008/09年度砂糖きび収穫が事前見通しを上回るとの見方を示した。11月から降雨がないことを理由にしており、当初は4億8000万トンと見越していたものの、現時点では4億8500万-4億8900万トンとみているという。収穫は1月まで続くとも述べた。
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仏ONIGC、08/09年度の自国軟質小麦生産推定引き下げ
[穀物・大豆]
仏穀物局(ONIGC)は10日に発表した国内穀物レポートで、2008/09年度の国内軟質小麦生産推定を前年比21.3%増の3732万1000トンとした。これは11月の報告での3739万トンから小幅引き下げた。
輸出については、欧州連合(EU)圏内での見通しを711万トンから688万トンに下方修正した。前年比5.7%減少になる。前月の報告で前年割れの見方に転じ、今回は従来を上回る減少をみている。反面、圏外への出荷については前月時点での900 万トンで据え置き、前年から83.2%増加の見方である。期末在庫は前年度の268万6000トンから362万4000トンに膨らむと見通している。前回報告時でみていた361万8000トンより僅かに高い。
2008/09年度のコーン生産推定は1541万9000トンから1549万 8000トンに一段と引き上げた。前年度の1435万5000トンから8.0%増加の見方。EU内輸出見通しを前年比1.3%増の504万5000トンと見越しており、これは前回報告での 509万トンより下方修正。圏外も5万トン少ない40万トンに改定した。それでも前年度の21万4000トンから大きく増加するのを見込んでいる。期末在庫は前年度の219万トンに対して346万4000トンとの見方。前回報告での304万トンから引き上げた。
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ICEコーヒー価格、2009年初めに回復見通し・ICO幹部
[コーヒー]
国際コーヒー機関の幹部は米通信社ダウ・ジョーンズとのインタビューで、ICEにおけるアラビカコーヒー価格が2009 年初めに現行の安値から回復する見通しを示した。2009/10年度のブラジル生産を理由に挙げている・同氏によると、ブラジルの生産が前年割れとみられることから世界需給は500万-600万袋逼迫する見通し。ブラジルでは前年より最高1000万袋落ち込む可能性があるといい、ブラジルの収穫が近付き次第価格支援となるという。
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OPEC総会までに石油減産方針を発表、ロシアエネルギー相
[エネルギー]
ロシアのシマトコ・エネルギー相は10日、石油減産に関する方針をOPECがアルジェリアで総会を開く今月17日までに発表する意向を明らかにした。インターファクス通信が伝えた。非OPEC産油国が市場安定のための協調体制を取ることを希望すると、メキシコやノルウェーなど他の産油国にも協調減産を促した。
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