2008年12月11日(木)
世界石油需要は25年ぶりに前年比マイナスに、IEA
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)は11日に発表した月報で、2008年度の世界石油需要見通しを35万バレル下方修正、 25年ぶりに前年比でマイナスになるとの見方を示した。供給面では、11月のOPEC生産が日量3,130万バレルと前月から76万バレル減少した。在庫は10月末時点で前月から4,560万バレル増加、消費の56.8日分をカバーしているという。
2008年度の世界石油需要は日量8,580万バレルと前月の推定から35万バレルの下方修正、前年比では20万バレル、1983年以来25年ぶりに減少に転じるとの見方を示した。2009年の需要は日量8,630万バレルと20万バレル強引き下げられたものの、前年比では小幅ながら増加する。09年度の予測は年後半に世界経済が穏やかに回復に転じるとのIMFの見通しを基に立てられているという。
11月の世界石油供給は日量8,650万バレルと前月から16.5万バレル減少。OPECの生産が日量3,130万バレルと76万バレル減少したのが背景にある。OPECに対する石油需要は、 2009年度が日量3,070万バレルと前月から30万バレル上方修正されたものの、前年からは80万バレルほど減少する。非OPEC諸国の石油生産は、 2008年度が日量4,960万バレル、2009年度が5,010万バレルとそれぞれ前月から小幅下方修正された。
10-12月期の製油所の稼動は日量平均で7,260万バレルと前月の推定から80万バレルの引き下げ。需要の伸び悩みと精製マージンの低下により、米メキシコ湾岸などを中心に稼動が鈍っている。09年1-3月期は日量7,350万バレルに伸びるものの、前年比では40万バレルほど減少することになる。
OECD諸国の石油在庫は10月末時点で26億9,700万バレルと前月から4,560万バレル増加。速報データによると、11月は更に1,030万バレル積み増しされるという。在庫は消費の56.8日分をカバーしている。
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