2006年12月07日(木)
利上げは中期的なインフレリスクを反映、ECB総裁
[要人発言]
トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、利上げは中期的な物価上昇のリスクを反映してのものと説明、ECBは物価安定に向け、全ての動向に注意を払っていく (monitor very closely) とした。この“ monitor very closely” いう言い回しは会見の中で何度となく使用されたようだ。
また、現在の金融政策については、もしECBによるインフレ並びに景気見通しが正しければ、「引き続き緩和的」だとしている。もっとも従来のようにECBの見通しは将来の金融引き締めを保障するものとは発言していない。
ECBは06年のGDPを2.5-2.9%の成長と9月の2.2-2.8%から引き上げ、07年の成長も1.7-2.7%と9月見通しの1.6-2.6%から引き上げた。またCPIは06年が2.1-2.3%(9月は2.3-2.5%)、07年が1.5-2.5%(同1.9-2.9%)とそれぞれ引き下げられている。これはエネルギー価格の下落を反映してのもの。また08年の見通しはGDPが1.3-2.5%、CPIが1.3-2.5%となっている。
総裁は欧州の経済成長について、潜在成長力に近い水準で堅調に伸びていくとする一方、賃金上昇圧力はこれまでの予想を上回る恐れがあると指摘。通貨供給と信用は依然として速いペースで伸びていると警戒感をあらわにした。
Posted by 松