2008年02月06日(水)
急速な利下げはインフレ圧力強めかねない・連銀総裁
[要人発言]
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は6日の講演で、急速な利下げについて将来のインフレ圧力を強めかねないと慎重な見方を示した。景気減速に気を取られてインフレを軽視することは、当局が目標とする長期的な経済成長の維持を困難にさせるとコメント。また、景気のスローダウンがインフレ低下につながるとの一般的な見方は必ずしも正しくないともいう。
総裁はインフレ見通しに今のところ大きな変化もないとしながら、上昇リスクを示すサインはあると述べた。また、現時点で今年のコア物価伸び率が2-2.5%と既に許容範囲を超えるのを予想していることも記した。総裁はタカ派で知られるが、本日の講演でも物価に対して強い警戒姿勢をみせた格好である。
総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーであり、1月29-30日の定例会合では0.5ポイント利下げに賛成票を投じた。このときの決定について、総裁は景気見通しの悪化を理由に上げた。しかし、利下げが住宅ローン市場の不振や金融機関が格下げリスクに面しているなど全ての問題を解決するわけではないとも警告。時間はかかっても市場が取り組む必要もあると述べた。
景気後退に突入するまでには至らないまでも、今年前半は1%前後の成長にとどまると予想。しかし、後半にはペースも速まり、2009年には2.7%の成長になるのと見込んでいるという。
総裁はこのほか、労働市場について1月の雇用減少を示した統計には驚くこともなかったといい、今年前半にはさらに弱含む可能性あるとした。総裁の今年の失業率予測は5.25%への上昇。こうした慎重シナリオは現行の政策運営に織り込んでいることも指摘し、さらに金利を引き下げるには景気見通しが一段と悪くなる必要がることにも言及した。
Posted by 直