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2008年02月28日(木)

FRB議長、スタグフレーションのシナリオに否定的・上院証言
  [要人発言]

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は28日に上院銀行住宅都市委員会で年2回の定例証言を行い、現状を1970年代のようなスタグフレーションに程遠いといい、またスタグフレーションが起きることも見越していないと述べた。エネルギー価格の上昇がインフレ圧力を強めていることを認識し、当局の金融政策運営を難しくさせているともコメントした。また、過去の景気減速時に比べて物価の上昇圧力が強いことにも言及。

しかし、議長はインフレ期待が落ち着いているとの見方を再び示した。現行のインフレ懸念は石油をはじめ商品相場の上昇によるものであることを指摘。これまでの急速な商品高が長続きすることはなく、商品相場が落ち着けば物価上昇も安定化すると見通した。

バーナンキ議長は前日に下院金融サービスですでに証言済みであり、本日は基本的に前日の内容を繰り返した格好となる。景気の下振れリスクを強調し、また1月は株価下落や金融市場の混乱などもあって特に情勢が悪化したという。このため、1月の緊急利下げを含めて計1.25ポイント金利を引き下げたことについて適切な措置と評価した。

また、利下げ幅については今後の展開次第であることを指摘して再び大幅利下げを行なう可能性に触れた。ただ、委員会から金融政策の臨時変更が常習化するのかとの質問には、定例会合での決定が好ましいと応じた。金融政策において他国の中央銀行と協調行動はないとも述べた。

バーナンキ議長は金融政策と景気刺激策で今年後半の景気回復に寄与する見方を示唆した。このほかに、エタノール輸入の関税を引き下げることが経済的に有益とも発言。

バーナンキ議長は、ドル高が好ましいといい、前日の下院証言でも言及したように海外のドル投資意欲は根強いことも取り上げた。委員会から石油価格がドル建てからユーロ建てになった場合のドルへの影響を問われると、そのような計画は聞かれないと返答。ユーロ建てになったとしても、ドル投資への影響は限られるとした。

さらに、金融市場の弱含みや住宅価格の下落から銀行破たんの可能性にも言及した。ただ、被害は不動産に大きく投資していた規模の小さい銀行であり、大手の経営不安はないという。議長は金融市場と景気の関連について、信用収縮で融資が細り、成長が一段と鈍る、景気減速の進行で金融市場はさらに悪化すると悪循環にあることを取り上げた。

Posted by 直   

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