2008年05月02日(金)
4月非農業雇用数は2万人減、市場予想下回る減少にとどまる
[経済指標]
米労働省が発表した4月の非農業雇用数は前月比2万人減った。4ヶ月連続ダウン。ただし、この間で最小の減少であり、市場予想も下回った。なお、2月と3 月の雇用が下方修正となり、2月のマイナス幅が7万6000人から8万3000人、3月は8万人から8万1000人と従来推定より大きくなった。
4月は民間だけに絞って2万5000人減少した。5ヶ月続けて前月を下回るが、昨年12月以来の小さなマイナスだ。
鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用は11万人減った。昨年4月からの減少基調を続け、しかもこの13ヶ月間で最大の落ち込みとなった。このうち、鉱業関連の雇用が2004年10月以降初めて前月を下回った。建設は6万1000人と昨年2月以来の大幅減少。住宅建設で前月の2倍近いマイナスとなり、商業用は昨年8月以来の大きなマイナスだった。
製造業だけで4万6000人減った。22ヶ月連続マイナス。耐久財が2003年6月以来の大幅マイナスである4万3000人の減少。前月に続いて自動車関連が1万7100人減って、耐久財メーカーで最も削減が進んだ。このほか、金属製品や家具、半導体機器などの製造雇用で需要が減った。唯一、一次金属と半導体以外のハイテク、家電で増えた。非耐久財は3000人減。1月から3ヶ月続けて1万4000人のマイナスとなっていたのからスローダウンした。
サービス業は9万人増えた。前月の10倍を超える伸びで、今年最大でもある。また、民間だけに限っても8万1000人と今年に入って初めて前月から増加した。サービス業で需要改善となったのが金融関連。3000人増え、昨年7月以来のプラス転換である。投信などで半年ぶりに増加し、不動産は8ヶ月ぶりにアップ。
プロフェッショナルサービスが3万9000人増え、やはり今年初の雇用増加だ。会計や建築、コンピューターデザイン、また事務サービスなど幅広く回復。この項目にある短期派遣は9300人減少。短期派遣は景気不安が根強い中での需要対策と知られるが、昨年から10月を除いて前月割れが続いた。ただ、4月は1月以来の小幅マイナスでもある。
民間のサービス雇用で不振だったのは小売業だった。2万6800人と前月以上のマイナス。大勢が前月を下回り、中でも建築資材・造園関連店の雇用1万2300人減が目立つ。卸売りは1万600人減少した。1万人を超えるマイナスとなったのは2002年11月以来。輸送関連は1万2000人増加だが、前月の半分以下のプラス。メディアでの需要も再び落ちた。
政府雇用は9000人増加した。連邦レベルで前月から雇用ペースが加速したものの、地方政府は伸び悩んだ。
週間平均労働時間は33.7時間となった。前月に3ヶ月ぶりに33.8時間に増えたものの、事前の予想通り4月に戻した。時間あたり賃金は前月比0.06% 上昇。昨年10月以来の低い伸びで、市場予想も下回った。また、前年同月と比較した伸び率は3.41%で、これは2006年1月以来の低水準である。
Posted by 直