2008年05月29日(木)
1-3月期GDP改定値は前期比0.90%増に上方修正、予想通り
[経済指標]
米商務省が発表した1-3月期実質国内総生産(GDP)改定値は前期比0.90%増加となった。速報段階での伸び率0.60%から市場が予想していた通りの上方修正。背景にあるのは貿易赤字の引き下げである。輸出は速報で5.49%増だったのが2.76%増と当初の推定より低い伸びだったが、輸入が 2.55%増から2.62%減に改定。この結果、貿易赤字は4802億ドルと速報値4959億ドルより小さく、寄与度も0.22ポイントから0.80ポイントに上がった。
個人消費伸び率は速報段階で0.96%だったのが0.99%と僅かな修正である。非耐久財が0.33%減少だが、速報で 1.31%のマイナスだったのからはやや鈍いペース。食品や衣料品への支出伸び率が上方修正となった。ただ、エネルギー製品は1.63%減から4.84% 減に下方修正だった。また、耐久財6.23%減と従来推定より大きい落ち込みで、逆にサービスは3.00%のプラスと速報の3.41%増を下回った。住宅投資は速報値26.63%減に対し、改定値は25.52%減少となっている。
企業の設備投資も引き続きネガティブ要素であるが、速報段階で2.53%減少だったのが0.26%減少に改定だ。これは建造物への投資が6%を超える減少だったのから1.13%増に修正されたため。一方、在庫投資の寄与度は0.81ポイントから0.21ポイントに下方修正。非農業部門で0.35ポイントと従来の0.93ポイントを大きく下回る寄与度である。
政府支出は1.95%増えた。速報段階での伸び率1.99%より若干低め。連邦政府の支出が防衛を中心に小幅の下方修正となったのが背景にある。
物価に関しては、個人消費支出物価指数(PCE)が前期比3.46%上がった。速報段階での3.52%から引き下げ。また、エネルギーと食品を除いたコア部分の伸び率は2.15%から1.99%改定である。前年同期と比較すると全体指数が3.36%、コア指数2.00%それぞれ上昇した。速報での 3.38%、2.01%からわずかに下方修正。
Posted by 直