2008年12月11日(木)
10月貿易収支は571.9億ドルの赤字に拡大、予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した10月の貿易収支は571億9000万ドルの赤字となった。前月から1.12%、3ヶ月ぶりの増加。市場予想も上回った。なお、9月の赤字幅は速報で564億7000万だったのから565億5900万ドルに改定。貿易赤字は年初から10月まであわせて前年同期を1.39%上回る5909 億1700万ドルだ。
10月は再び輸出と輸入揃って前月比マイナスである。輸入が1.29%減で、このうちモノが1.55%ダウン。いずれも3ヶ月連続して前月を下回るが、9月に比べると減少ペースは鈍化した。消費財が1.16%、飲食品・飼料1.07%とそれぞれプラス転換。工業品は減少だが、0.16%と前月に1割以上落ち込んだのから著しくスローダウンである。背景にあるのが原油輸入。季節調整前で9.48%増加した。単位価格が 92.02ドルと6ヶ月ぶりに100ドルを割り込み、3月以来の低水準となったが、買い付け規模が前月から23.87%増えて日量1045万8000バレルだった。
原油は季節調整後でも増えたが、石油製品は減少した。ガスや燃料油なども前月割れ。一方、有機化学やアルミなどは増加だった。資本財が3.73%減少に転じ、自動車関連は4.99%と3ヶ月連続落ちた。サービス輸入は0.03%増加した。9月にちょうど半年ぶりの前月比マイナスとなったものの、減少は早々に止まった格好である。
輸出は前月から2.17%減り、モノが2.80%ダウン。輸入と同じく、いずれも前月を下回る前月比マイナス。ただ、輸入以上の減少で、赤字拡大に至った。モノについては全ての項目が前月割れとなった。このうち自動車関連が2.28%と前月以上のマイナスである。工業品4.28%、飲食品・飼料8.60%と自動車以上のマイナスだが、前月からはペースが鈍い。資本財では0.30%減にとどまり、消費財も1.16%ダウンでやはり前月を下回る減少。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比10.35%増の463億5900万ドルだった。石油関連が20.84%のプラスが背景にある。非石油は1.24%減少した。
国別で赤字最大の対中国が279億5700万ドルとなり、前月の277億6600万ドルから一段と膨らんだ。対日は60億4700万ドルに拡大し、またカナダとのギャップが59億5700万ドルに縮小したことから中国に次ぐ2位に上がった。対メキシコも前月から縮小した。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は約5%アップ。ただ、加盟国別ではナイジェリアやサウジアラビアとのギャップが広がる反面、ベネズエラに対する赤字縮小などまちまちである。
Posted by 直