2009年07月21日(火)
FRB議長、ゼロ金利政策当面維持の意向・下院定例証言
[要人発言]
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は21日に下院金融サービス委員会で年2回の証言を行い、事実上のゼロ金利政策を当面維持する意向を示した。出口戦略について話し合うこと自体に異議はないとしながらも、景気不振、またインフレ圧力が抑えられている現状では景気回復に商店を当てるべきだとコメント。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の超低金利政策の長期維持を必要とする景気見通しを繰り返した。ただし、議長の証言では国債購入の規模を増やす可能性などに触れることもなかった。
バーナンキ議長はインフレ台頭を防ぐために市場への流動性供給プログラムや低金利政策から抜け出すタイミングが必要なことを認識した。しかし、議員から現行のFOMC方針がインフレを押し上げるとの懸念が上がるのには否定した。長期金利が低いことを理由に物価は市場で最大の懸念ではないともコメント。当局がこれまで購入した国債の売却に関する質問に対して、目先の計画はないと応じた。
議長はこのほか、財政赤字についても言及し、長期的な対策に医療保険制度の改革は欠かせないと述べた。米社会の高齢化も指摘し、コスト管理の必要性を挙げている。議長は持続的な財政赤字は実質国内総生産(GDP)の2-3%という。医療保険改革についてはオバマ米大統領が公的資金を導入しての国民保険設立を支持しているが、共和党や穏健派民主党は赤字拡大につながるリスクを理由に反対を示す。バーナンキ議長自信によるオバマ大統領の改革案について言及はなかった。
Posted by 直