2009年11月13日(金)
9月貿易収支は364.7億ドルの赤字、予想上回る赤字拡大
[経済指標]
米商務省が発表した9月の貿易収支は364億7200万ドルの赤字となった前月から18.23%拡大し、市場予想を上回る。なお、8月の赤字は速報の 307億1000万ドルから308億4900万ドルに改定。貿易赤字は年初からあわせて2745億8200万ドルで、前年同期から50.21%縮小した。
9 月の輸入が5.83%増加し、この結果1684億2900万ドルと昨年12月以来の高水準である。モノの輸入が7.07%アップ。全てのカテゴリーで前月比プラスとなり、このうち最も高い伸びは工業品で14.57%だ。背景にあるのが原油。季節調整前で前月から12.25%増加し、195億1164万 5000ドルとなった。単位価格は7ヶ月続けて上がり68.17ドル。買い付け規模は一ヶ月前を10.19%上回り、日量954万1000 バレルとなった。原油は季節調整後でも工業品で最も増加幅が大きく、このほか燃料油、液化石油ガス、金属や化学品なども前月から増えた。
自動車関連も11.53%増とこれも2けたのプラスである。資本財は2.63%増加した。工業用機械、民間航空機、コンピューターがプラス幅で上位3位となる。消費財は1.91%のプラス。薬品や美術骨董、玩具・スポーツ用品が特に伸びの目立つ消費財だった。食品・資料・飲料は0.51%増。サービス輸入は 0.58%増加した。
輸出は一ヶ月前から2.85%増加した。5ヶ月連続プラスで、しかも9月はこの間で最も高い伸び。しかし、輸入の増加幅を下回り、この結果赤字拡大である。モノの輸出が4.02%増え、これも5月からの増加基調を続けた。カテゴリー別には食品・資料・飲料が4.99% のマイナス転落となった以外は揃って増加。工業品が5.48%と最も高い伸びで、資本財の5.35%増が続く。工業品なら石油製品、鉄、銅、資本財なら民間機、工業用機械、測定器などが特に増加幅の大きい製品である。消費財は宝飾品や宝石などを中心に3.73%伸びた。自動車関連が2.96%増加。サービス輸出は0.41%増だった。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比10.18%増の417億1400万ドルだった。非石油が16.19%、石油関連は5.61%それぞれアップである。
国別で赤字最大の対中国が221億100万ドルとなった。前月の202億3200万ドルから拡大に転じた。反面、日本とのギャップは43億3800万ドルから41億3000万ドに縮小。しかも、メキシコが45億6000万ドルと、前月の39億5000万ドルを上回り、日本と順位を入れ替わって国別で2番目に規模の大きい赤字になる。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は78億7200万ドルで、前月の63億6900万ドルより拡大した。
Posted by 直