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2007年02月07日(水)

経済成長次第では追加利上げもある、フィラデルフィア連銀総裁
  [要人発言]

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は7日、フィラデルフィア商工会議所で講演を行い、経済成長が加速すればFEDが追加利上げを行う可能性が高まるとの認識を示した。

経済は2007年度も引き続き経済は堅調に推移するとし、GDP成長率を3%前後と予想した。また、好調な経済が失業率を5%未満に抑えるとの見方も示している。住宅市場の安定や堅調な個人消費、貿易赤字の改善が景気を下支えするとしている。

住宅については安定化のサインが見え始めたとしながらも、まだ(安定化の)初期段階にあり先行きは不透明な部分が多いと慎重な見方を崩さなかった。個人消費については、雇用が好調なこととそれに伴う賃金の上昇が更に消費を押し上げる可能性があるとした。貿易収支はこれまでのドル安が輸出を伸ばし、赤字改善に貢献したとの認識を示した。

インフレについては、2006年度の水準は許容範囲を超えており、07年度の一番の懸案事項になると指摘。昨年末にかけての指標は良い傾向が見られたが、インフレが沈静の方向には向かっているとは確信していないと、引き続きインフレに強い警戒感を示した。ここまでの数字はただ単に原油価格の下落によってもたらされただけかもしれず、原油価格は下落した時と同じようにこの先簡単に上昇する可能性があるとした。賃金上昇については、これまでのところインフレにつながる兆候は見られていないと分析。これまで言われているほど賃金はインフレを予想する良い指標ではないかもしれないとする一方、インフレが進めば賃金が上昇するといった逆の見方をするべきとした。また、労働生産性が賃金と同様のペースで上昇する限り、インフレ圧力とはならないとの見方も示している。

将来の金融政策については、経済成長への期待が高まれば、金融の更なる引き締めなしに物価の安定を図ることが出来なくなるリスクがあると指摘。経済が成長すれば貯蓄と投資のバランスを保つために市場金利は上昇する傾向にあるが、もしFEDが短期金利の上昇を抑えようとするならば、インフレが加速する下地を作ってしまうとした。

総裁は講演後のインタビューでも、FEDの第一の目標は物価の安定であることを強調、インフレに対する警戒感を改めて強調している。もっとも、目先の金融政策については言及を避けた。プロッサー総裁は2008年度のFOMC投票メンバー。

Posted by 松   

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