2007年03月08日(木)
ECB、政策金利を0.25%引き上げ、年3.75%に
[金融・経済]
欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた理事会で、政策金利を年3.5%から3.75%に引き上げることを決定した。
トリシエ総裁は理事会後の定例会見で、利上げ実施後も欧州圏の金融政策は緩和的な部類に入るとし、マネーと信用の伸びは著しく、信頼できる指標は流動性が十分にあることを示しているとした。ECBは今後も中長期的な価格安定のために今後も堅実で時宜を得た行動を取るとし、今後も注意深く情勢を見守っていくとした。利上げの決定は全会一致で下されたという。
今回は目先の状況について注意深く見守る(monitor very closely)との表現が使われ、次回理事会での利上げを示唆するとされる ”Vigilance” が使用されることはなかった。また金融政策についても、これまで緩和的(accommodative)としていたのから、緩和的な部類(accommodative side)とやや表現が弱められた。この他、金利水準も前回は”low”と表現していたのから”moderate”とややトーンが弱まった。利上げの終了時期が近づいていることを示唆した表現と取ることができよう。もっとも総裁は質疑応答で、「(金融緩和が)ピークにあるとは言っていない」と、追加利上げの可能性を示唆。M3の伸びは非常にダイナミックだと、引き続きマネーと信用の伸びに警戒感を持っていることを強調している。
Posted by 松