2008年01月08日(火)
フィラデルフィア連銀総裁、追加利下げの必要性小さいと示唆
[要人発言]
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は8日の講演で、今年後半の景気回復に自信を示す発言をし、さらなる利下げの必要が小さいとの見解を示唆した。総裁はむしろ、物価上昇圧力を警戒しているといい、景気減速でインフレリスクが小さくなるシナリオを描くのは尚早とけん制。最近の統計が物価の行方を懸念させるとした。また、最近の物価上昇サインはエネルギー高によるだけではないとも述べた。総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーである。
プロッサー総裁は、向こう数ヶ月間の景気減速は必至であり、失業率が5%を超える可能性もあるとの見方を示した。住宅市場に関しては来年まで著しい改善は見込めないという。また、利下げの効果が表面化するのに時間を要することも指摘。このため、金融政策による経済の舵取りも今年前半は限られるとした。ただし、景気が予想以上に悪化の場合には追加利下げを支持すると述べ、講演後も記者団に対して利下げを全面的に否定しているわけではないことを明かしたとされている。
本日はまたローゼングレン・ボストン連銀総裁も講演した。同総裁は昨年FOMCメンバーを務め、12月の会合で0.5ポイントの利下げを支持して0.25ポイント利下げには反対票を投じた。本日の講演では先週末に発表された12月の雇用統計が先行き不透明感を強めたことを示唆。長引く住宅市場の不振による影響を指摘した。総裁は当局が先月に始めた短期資金供給による効果を認識しながら、民間の金融機関になお流動性で問題があり、融資の焦げ付きリスクは残るとも述べた。
Posted by 直