2008年01月11日(金)
FRB理事、当局の警戒かつ柔軟な姿勢必要と指摘
[要人発言]
米連邦準備理事会(FRB)のミシュキン理事は11日にニューヨーク連銀主催の会議で講演し、景気や金融市場を脅かす圧力を抑えるのに当局が極めて警戒かつ柔軟な姿勢を持ち、また事前に準備を整えておく必要があるとの見方を示した。しかし、本日の発言が今月末の当局会合での金融政策決定に関連しているわけではないとも強調し、会場に対して深読みを避けるようにと述べた。理事は、市場が金利の引き下げ幅に執着しすぎているともコメント。むしろ金融政策運営の流れ全体を注目するべきだとした。
ミシュキン理事は現行の景気動向について具体的に触れることは見送った。物価についても、利下げサイクルがインフレ上昇圧力を極端に強めることはないとも述べる程度。特に現行に関し、長期の物価見通しが落ち着いているため、金融市場の減速への対策とした利下げが物価に悪影響を及ぼす可能性は小さいという。ただし、上昇サインが見られるようなら、当局は即座に利下げ態勢をとどめ、利上げも考慮する必要があるかもしれないと発言した。
ローゼングレン・ボストン連銀総裁も講演し、これまでの利下げや短期資金供給といった当局の対策がサブプライムローンによる経済的な影響を抑えるはずだとの見解を示した。今週2回目である本日のスピーチは、住宅価格のさらなる下落はあり得ると述べ、また依然として不安定な金融市場が景気を巡る不透明感を強めているなど前回に続いて慎重な姿勢を示すものだった。ただ、今月終わりの当局会合での金融政策を見通すことは避けた。
Posted by 直