2008年01月22日(火)
FOMC、0.75ポイントの緊急利下げ実施
[金融・経済]
米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日に緊急会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を0.75%に引き下げて年3.5%とすることに決めた。FOMCが緊急利下げに踏み切ったのは2001年9月に米同時テロが起きた直後に0.5ポイントの利下げを実施して以来。FOMCはまた公定歩合も0.75ポイント引き下げて年4.0%とした。公定歩合をFOMCの通常会合以外で引き下げたのは昨年8月以来。
FOMCは声明で、景気見通しが弱く、下振れリスクが高まったため利下げに踏み切ったと説明。金融市場における流動性の不足はある程度解消したものの、なお悪化局面にあり、企業や消費者にとって信用収縮が続いているともコメント。また、経済指標が住宅市場のさらなる減速や労働市場がやや弱含んでいることを示しているとも認識した。インフレについては、FOMCは目先の安定を見越しているとしながら、情勢の監視を続ける意向という。今後は金融市場も含めて経済の展開をみながら下振れリスクの対応に努める方針とし、さらなる利下げも辞さないことをみせている。
この日のFOMC決定は2007年のメンバーによるもので、プール・セントルイス連銀総裁だけが現状は29-30日の通常会合前の利下げを正当化させないと利下げに反対票を投じた。ミシュキン米連邦準備理事会(FRB)は本日の臨時会合を欠席し投票にも不参加。しかし、他のメンバーが賛成票を投じたことで緊急利下げ決定となった。
Posted by 直