2008年03月07日(金)
2月非農業雇用数は前月比6.3万人減、増加予想に反し悪化進む
[経済指標]
米労働省が発表した2月の非農業雇用数は前月比6万3000人減った。1月に2003年8月から続いた前月比プラスが止まり、2月は一段と落ちた格好となる。しかも、2月は2003年3月以来の大幅ダウン。また、1月の減少数は速報段階での1万7000人から2万2000人に改定となった。市場の増加予想に反して雇用の悪化が進んだ。
2月は民間だけに絞ると10万1000人減少となった。1月分が下方修正されたため、2ヶ月連続ダウン。また、2月の民間雇用も4年11ヶ月以来の大幅マイナスである。鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用は8万9000人減、11ヶ月連続して前月を下回り、この間で最も大きなマイナスだ。鉱業だけ増加し、対して建設が3万9000人減少。住宅、商業用揃って振るわなかった。
製造業だけでは5万2000人減り、これは2003年7月以来の大幅マイナスだ。耐久財がやはりほぼ5年ぶりの落ち込みぶりとなる4万人減少。自動車関連が1万人を超えるマイナスとなり、また木製品、金属製品などほとんどの業種がダウン。一部ハイテクが増えたぐらいだった。非耐久財は前月と同じ1万2000人減。耐久財同様にほぼ全面的な雇用減少となり、中でも印刷関連、化学、プラスチック・ゴム製品での削減が目立った。
サービス業は2万6000人増えた。2003年9月からの増加基調は維持したが、1月に続いて雇用は伸び悩んだ。しかも、政府雇用を除くと1万2000人減。民間サービス業の雇用が前月を下回ったのは2003年3月以来となる。
市場の大きい小売は3万4100人、2001年12月以来の大幅減少だった。小売で増加は食料品ぐらい。金融は1万2000人減り、7ヶ月連続減少だ。このうち不動産関連の需要不振が目立ち、またクレジット関連、保険もダウン。各種ビジネスサポートなど専門職は2万人ダウン。2ヶ月続けて前月を下回り、また2003年3月に次ぐ大幅減少。前月に続いて事務関連の減少が著しい。このカテゴリーに含まれる短期派遣雇用は2万7600人のマイナス。4ヶ月連続の減少であり、また2003年4月以来の大きな落ち込みだった。
医療関連や娯楽の需要は底堅く、いずれも増加基調を維持した。情報も1000人増え、4ヶ月続いた前月割れが一服した。輸送関連も2000人増加で、3ヵ月ぶりの改善だ。
政府雇用は前月から3万8000人増えた。また、1月分が上方修正となり、この結果、7ヶ月連続増加となる。連邦政府の雇用が8000人増で、これは2005年11月以来の大幅プラスである。州政府、自治体も前月を上回る伸びだった。
週間平均労働時間は33.7時間で、前月比横ばいである。市場予想とも一致した。時間あたり賃金は前月比0.28%上昇。前月と同じ伸びペース。市場が見通していた範囲内である。前年比では3.68%上がり、やはり1月時点でのペースとほぼ同じだった。
Posted by 直